■皆さん、こんにちは。
多忙により、週2回の発行が守れず申し訳ありませんでした。
■今日は、やや大げさですが、「仕事の値打」に関するお話です。
■会社や国には必ず組織があります。これは、多くの人が携わって物
事を進めていくためにはどうしても必要だからです。
■そして、組織の仕事は多種多様で、どれもが必要なものばかりです
が、ただ、日の当たる仕事と日の当たらない仕事があります。
人の心情として誰もが日の当たる仕事をやりたがります。
■以前勤務していた会社で、こんなことがありました。
■阪神淡路大震災で本社ビルが倒壊したときのことです。
技術関係の社員は、一刻も早く会社の機能を回復させようと徹夜で
復旧作業をしていました。
テレビもその状況を放映しました。
■そんな状況でこんな言葉が聞かれました。
「総務や経理は誰も顔を見せずに何をしとるんや」
■それから、2週間が経ち、給料日がやってきました。
ある社員は銀行に行き当然のように自分の給料を引き出しました。
■しかし、もう一人の社員は銀行で、キャッシュカードをディスペン
サーのカード挿入口に差し込もうとして、ふと考えました。
「皆、まともに出勤していないのに給料が出るのだろうか。誰も給
料を計算して、銀行へ手配をしていなければ、ひょっとして給料が
振り込まれていないかもしれない」
と。
■その社員は、心配しながらカードを挿入して、残高表示を確認する
と、さすがに残業代はないものの、きっちりと本給分は入金されて
いました。
■それで、不思議に思い、友人である総務部員に電話をしました。返
ってきた答えはこうでした。
「君たち、技術屋は徹夜で本社の復旧作業をしている。でも、俺た
ちは、技術がないからその手伝いをすることはできない」
「ただ、一生懸命に復旧作業をしている君たちの給料だけは、遅ら
せてはならないと思い、倒壊せずに残った支社で、徹夜で全社員の
暫定給料を計算して銀行に振込み手配をかけていた」
■これを聞いた社員は思わず
「給料は毎月25日に振り込まれるのは当たり前と思っていたが、
君たちのありがたみがよくわかった。ありがとう」
とお礼をいいました。
■さて、
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【 仕事の値打ちは見えることだけでは決まらない 】
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■故人である元南禅寺管長 柴山全慶氏曰く、
人間の値打ちは、見えることだけでは決まらない。どんな態度で
臨むかだ。
いやだろうが、どんな仕事でも完全にやってのける・・・という
は一つの価値である。
きれい、きたないを越えて、自分の全人格を投入するところに価
値がある。
■いつもは当たり前のように思っていることも、実は誰かの一生懸
命にやった日の当たらない仕事のおかげなのです。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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岩崎吉男 mag@knowledge-store.jp
技術士(電気・電子)
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