■今日は、私が以前勤めていた会社に新入社員が入ってきたときの
エピソードです。
■ある年の4月に私の事務所に、大卒の新入社員が一人配属されて
きました。
A君です。
■私は早速A君を紹介するために、別の棟にある現場詰所に連れて
行きました。そして、現場の皆さんに紹介を済ませました。
ここまではよかったのです。
■そのときに、ある班でたまたま、終業後に飲み会をする予定があっ
たのです。
私は、その班の担当でもあったのでその飲み会に誘われていたの
ですが、弾みでA君も参加することになってしまいました。
■A君はその班の所属ではありません。
■終業後いよいよ、飲み会が始まって和やかな雰囲気の中、私はA君
を残し途中で退席しました。別件の宴会があったからです。
■次の日の朝、A君が私のところにやってきました。
「課長、朝、目が覚めたら、班の詰所にいました。」
「それで畳の上が血だらけになっていました。」
「私には昨夜の記憶がないのですが。」
と、いうのです。
■よく見ると顔が腫れ上がっていました。
私は
「これは、殴られたな。」
とすぐに分かりました。
■そして、私はA君に聞きました。
「それで、どうするつもりや。」
■すると
「記憶にはないですが、先輩に殴られたということは、私が悪い
と思います。」
とはっきりといいました。
■その言葉を聞いたので
「そうか。それやったら今から現場に行って謝ってこい。今丁度
朝礼をやっとるはずや。」
というと
■「わかりました。」
A君はさわやかに返事をすると一人事務所を出ていきました。
■A君は現場の皆の前で頭を下げて謝り、その後、血で汚れた詰所の
畳を一人で一生懸命に拭いていると、後から先輩が二人きて手伝っ
てくれたそうです。
■その後、A君は現場にとてもかわいがられ、今ではその部署の長に
なっています。
手伝った二人が、殴った人間かどうかは分かりません。
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
────────────────────────────────
【 さわやかないさぎよさは人をひきつける 】
────────────────────────────────
■人は、弱いもので自分を守ろうとして、なかなか自分の非を認めよ
うとしません。特に相手方にも非があるときはなおさらです。
■上のエピソードでも、顔を殴られたのだから、相手が悪いに決まっ
ていると、つい主張したくなります。
■そんなときに、一切の言い訳をせずに、大勢の前でいさぎよく謝る
人物に出会うと、人は何か自分にないさわやかさを感じるのではな
いでしょうか。
■ときに、何かと理屈をつけて自分の正当性を主張するよりも、あっ
さりと謝ってしまったほうが、相手方に受け入れられる場合があり
ます。
■謝るときには、いさぎよさが大切なような気がします。
---------------------------------------------------------------------------------------
最後までお読みいただきありがとうございました。
---------------------------------------------------------------------------------------
発行者 (株)ナレッジストア
http://www.knowledge-store.co.jp/
http://www.knowledge-store.jp/
岩崎吉男 mag@knowledge-store.jp
技術士(電気・電子)
http://www.knowledge-store.co.jp/e-ten/
---------------------------------------------------------------------------------------
コメントする