■皆さん、こんにちは。
今回は、人の行いは必ず誰かが見ていることをお話しします。
皆さんもよくご存知の「蜘蛛の糸」(芥川龍之介著)に出てくるお
話です。
■ある大泥棒が死後、地獄に送られ、血の池で多くの亡者と暮らして
いました。
血の池地獄は、蓮の花の咲き誇る天国にある池のはるか底にありま
した。
■あるとき、お釈迦さまが天国から池の中を覗いてみると、血の池で
苦しむその大泥棒の姿が見えました。
お釈迦様は、その大泥棒を見て、その男が生前に一つだけ、良い行
いをしたことを思い出しました。
■その大泥棒は、生前、深い山中を歩いていて、目の前に小さな蜘蛛
が歩いているのを見つけます。
大泥棒は一瞬
「踏みつけて殺してやろう」と思ったのですが、
「いやいや、この蜘蛛にも小さな命がある。逃がしてやろう」
と思い直し、その蜘蛛を逃がしてやったのです。
■お釈迦さまはそのことを思い出し
「あの男にも良いところがある。もう十分苦しんだようなので、そろ
そろ助けてやろう」
と思い、蓮の花の上にいた蜘蛛が口から吐き出した銀色の糸を取り
上げて、下に見えている血の池の方に差し下ろしました。
■一方、血の池では、大泥棒が何気なく空を見上げると、きらきらと
輝く糸が空から自分に向かって垂れ下がってくるではありませんか。
これを見て、大泥棒はひょっとするとこの糸を登っていけば、地獄
から脱出することができるかもしれないと考えたのです。
■大泥棒は、一生懸命にその糸をよじ登り、ふと気が付いて下を見る
ともう地獄は小さく見えるほど遠くになっています。
もうすぐ天国にたどり着けると喜んで、もう一度下をよく見ると、
何と数え切れないほど多くの亡者が次々に糸を登ってきているでは
ありませんか。
■大泥棒は、
「こんな細い糸にたくさんぶら下がれたのでは、糸が切れてしまう。
そうなれば地獄を脱出することができない」
と考えました。
そして、ついに大声を出して
「こら、この糸は俺のものだ。早く下りろ」
といってしまいました。
■そのとたん、蜘蛛の糸は大泥棒のちょうど真上でぷつりと切れて、
大泥棒は、まっさかさまに血の池地獄に落ちていったのです。
■さて、
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【 良いことも悪いことも必ず誰かが見ている 】
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■会社でも、目立たなくても人知れず努力をしている人があります。
この努力は、必ず誰かが見ています。そして、いつかその努力が報
われるときがくるものです。
■一方、人を踏み台にして、出世をしていく人もいます。
私も多くの人を見てきましたが、必ずこの人たちは、そこそこ出世
したなと思われる時期に、後から自分と同じように人を踏み台にし
て出世してきた人に追い払われています。
■自分のしていることは必ず、誰かが見ているようです。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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岩崎吉男 mag@knowledge-store.jp
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