■皆さん、こんにちは。
今日は、"大卒"についてお話しします。
■いよいよ大学全入時代になります。 文部科学相の諮問機関、中央
教育審議会は、少子化と大学志願率の頭打ちで大学、短大の進学希
望者数と、大学の合格者総数が2007年度に同じになると試算してい
ます。
■私が大学入試を経験した30年前には考えられなかったことです。
当時私が入社した会社には、大卒は数えるほどしかいませんでし
た。
■そして、入社後7年が経過して私がある部署の係長をやっていた
ときにこんなことがありました。
■朝礼で、工場のある班に出かけて、そこで今月の目標などいつも
の連絡を済ませ、事務所に帰ろうとしたときです。
後ろから若い社員に呼び止められました。
■彼は私にこう質問しました。
「係長、係長も大卒だから言いにくいのですが、どうして後から
入社してきたのに大卒の人は、給料がぼくらよりも上なのですか」
彼は、工業高校を卒業後、入社して4年になっていました。
そして最近になって、1年前に入社した大卒の社員の給料を知っ
たようです。
■私は、一瞬答えに困りましたが、自分の持論を話しました。
「今は、確かに大卒というだけで、後から入社したのに給料が高
い」
「が、俺はこう思っている。大卒は4年間大学で理論を勉強をし
てきている。そして君たちは先に入社して実学を勉強してきてい
る」
「これは、どちらも大事なことで、もし、同じ歳の社員がいて、
一人が大卒、一人が高卒で、大学の4年間の理論の勉強と、会社
での4年間の実学の勉強をどちらも全力でやったなら、22歳で
の給料は同じでいいと思う」
「大卒は、入社後に実学を学ぶ必要があり、高卒は、実学を先に
学んだ分、これからは理論を学ぶ必要がある」
「だから、同じ給料でいいと思う」
「でも、同じ給料をもらうということは、『僕は高卒ですから理
論は分かりません』とは、言えないし、逆に『僕は大卒ですから、
現場は分かりません』とも言えなくなるけどな」
私がそう答えると
「よく分かりました。同じ給料がもらえるように勉強します」
その若い社員は、ペコッと頭を下げて走り去っていきました。
■さて、
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【 本当の給料は、学歴では決まらない 】
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■本田宗一郎氏がこんなことをおっしゃています。
"私は、小学校しか出ていないからひねくれて言うわけではないが、
学歴の善し悪しで全てを決めようとする風潮はばかばかしい。家が
たまたま貧乏で学校に行けなかったばかりに一生冷や飯を食わねば
ならない理由がどこにあるのだろうか"
"大卒は、学校で専門的なことを学び、専門家のつもりだろうが、
大学は四年といっても一般教養があり、休講があり、そのうえサボ
ったりして、結局一日7時間労働に割ってみると三ヶ月かそこら工
場に通った程度だろう。それをそのままゴールに持ち込めると思っ
たら大間違いだ"
"私の会社には、学閥は存在しない。もし作るとすれば小学校閥に
したい。これなら誰でも気軽に入れる"
■最近の調査では、大学生は1日当たり数十分しか勉強していないよ
うですから、先ほどの理屈からすると1ヶ月工場に通った程度にし
かなりません。
■もちろん、大学で得られるものは知識だけではありませんが、そのまま
会社で役立つものは少ないのも事実です。
■大学は、入社後に必死に実学を勉強するための人間としての土台作りの
期間と考えた方が正解かも知れません。
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