■皆さん、こんにちは。
今日は、"目標"についてお話しします。
■前回は、"大卒"のお話をしました。今回は、資質や学歴がほぼ同
じで、同じような家庭に育った人が社会で異なる結果をつかむのは
なぜか、というお話しです。
■1940年代にハーバード大学を卒業した人々を中年になるまで追
跡調査した結果が発表されています。
それによると、大学時代に秀才だった人がそうえない人より収入や
業績や地位などの点で特に成功しているとはいえないそうです。
■このことは、私たちの周りでも身近に感じることができます。
私の高校時代の友人は、学生時代はいつも赤点をとって補習授業を
受けさせられているような人物でした。
その彼が、今や資本金10億円の会社の社長さんをやり、ポルシェ
を衝動買いするようなことをしています。
■では、社会で成功するためには"学生時代に勉強ができること"で
はなく、何が必要なのでしょうか。
■ダニエル・ゴールマンはその著書「EQこころの知能指数」のなかで
"人生に大きな差をつけたのは、IQよりも子供のころに挫折を克服
する能力や感情をコントロールする能力や他人と協調する能力があ
ったかどうかだった"
"学校の成績が良くても、人生のピンチやチャンスにはほとんど役
にたたない"
と述べています。
■なるほど、高校時代にクラスで問題が発生すると、先ほどの彼はい
つも、リーダーとなってその問題を解決していたように思います。
■いわゆる成功哲学といわれる書物には、お決まりのように「社会で
成功するためは、目標を高く設定することだ」と書いてあります。
しかし、私は、
「目標は誰でも高く設定することができるが、なぜ現実には成功す
る人物が少ないのか」
いつも疑問に思っていました。
■その答えが先ほどのゴールマンの著書にありました。
それは、
"同じ才能に恵まれて、同じ高い目標を持った者たちの間で一流と
二流以下を分けるのは、幼いころから何年も続けて困難な訓練に耐
えられるかどうかだ"
ということです。
特に、情動面の特性・・・熱意や忍耐を持ち続けられるかどうか。
■マシュマロ・テストというのがあります。
これは、4歳の子供に
「ちょっとお使いに行ってくるからね。おじさんが戻ってくるまで
待っててくれたら、ごほうびにこのマシュマロを二つあげる。でも
それまで待てなかったら、ここにあるマシュマロひとつだけだよ。
そのかわり今すぐ食べてもいいけどね」
と言ってその場を離れるテストです。
■心理能力の最も基本である「衝動をがまんする」能力が試されます。
4歳児のうち、何人かはおじさんが戻ってくるまで、両手で目を覆
ったり、歌をうたったりして、がんばり抜き、マシュマロを二つ手
にしました。
同じ4歳児でもより衝動的な子供たちは目の前の一個のマシュマロ
に手をのばしました。それもおじさんが居なくなった瞬間に。
■そして、この4歳児の追跡結果がでています。
4歳児のときに誘惑に耐えることができた子供は、十数年後には、
高い社会性を身に付けており、対人能力に優れ、きとんと自己主張
もできる力が付いていました。
一方、4歳の時に誘惑に負けた子供は、対人関係を避けようとする
傾向が強く、自分自身のことを「だめ人間」と考えていることが分
かりました。
■やはり、目標を達成するためには、小さいころから養われた衝動を
抑制する能力が一番重要なようです。
■さて、
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【 目標達成には、幼いころからの衝動を抑制する訓練が必要である 】
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■宇宙飛行士の向井千秋さんは、いちばん初めに
「医者になって病気でたいへんな人を助けたいなあ」
と思ったのは、小学4年生のときで、それから14年かかってお医
者さんなりました。
そして、「宇宙に行きたいな」と思ったのは、32歳のときで、そ
れから10年後でした。
■これらの夢を実現できたのは、他の誘惑を押しのけて勉強や訓練を
続ける能力が子供のころからあったからだと思います。
■"幼児のときの行動が将来を大きく左右する"大変重要なことです。
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