部下の意欲を奮い立たすのは、トップの誠意である

お盆で里帰りをされている方も多いと思います。

今年のお盆は、震災もあって、家族の絆を大切にしようということで、

海外旅行をするより、里帰りをする人の方が増えているようです。


■さて、以前会社員をしていた時に、当時の常務取締役が、経営立て直し

 の一環として社員の意識改革のために上杉鷹山の映画を全員に見せた

 ことがあります。


 上杉鷹山は、江戸時代に米沢藩主として、当時貧窮に喘いでいた藩の

 政治経済を再建し、奇跡的な繁栄をもたらした名君です。

 ジョン・F・ケネディが日本人記者から

 「あなたが、日本で最も尊敬する政治家は誰ですか」

 との質問を受けた時に

 「それは上杉鷹山です」

 と答えたのは、有名な話です。


■その映画を見た社員は、上杉鷹山の無私の貢献に感動し、我社も社員

 一丸となって経営再建を果たすのだ。

 という、気持ちになりました。


 その時だけは。


 そして、今、経営規模縮小の危機に瀕しています。

 

■映画で上杉鷹山が行ったことは、支出を押さえるために藩全体に倹約を

 訴えたことです。

 収入が減ったのだから倹約する。

 

これは、しごく当たり前のことで、経営改善のための奇策ではありません。

 しかし、この当たり前のことに、全員がいかに一生懸命になれるか。

 
 経営再建が果たせるかどうかは、全てこれにかかっています。
  

「名指導者 上杉鷹山に学ぶ(鈴村進 箸)三笠書房」
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837914896/mag2com02f-22
 
 に鷹山が家臣に対して発布した大倹令が掲載されていますので、以下に

 引用します。


■当家は大家(30万石)から小家(15万石)に縮小したにもかかわらず、

 上下ともに大家のころを慕っている。

 そのために家格も重く奢りの費用も大きい。

 しかも泰平が続いているので風俗も奢りがちである。


 当家は古くから質素律儀の気風があったのだが、それが失われがちなのは、

 時勢とはいえ嘆かわしいことだ。

 このままでは、月を経るにつれて、国の富は尽き果ててしまう。


 現状はなんとか取り繕っているが、実に心もとない実情である。

 まして水難、旱魃、火災、お手伝い普請のどのうち、どれか一つでも起こっ

 た場合には、国は破滅しなければならない。


 私は小家(秋月家)から大家(上杉家)の地位を譲り受けた身であるが、こ

 のまま家の滅びるのを待ち、国中の人民を苦しめることは、この上ない不幸

 といわなければならない。


 これほどまでに衰えた国を再建する見通しは立っていない。そのために、各

 方面の意見を深く尋ねたのだが、誰もが再建は不可能であるといっている。

 だがしかし、このまま亡びるのを待つよりは、君臣が心を合わせ、力を尽く

 して、できる限りの大倹約を行うならば、再建は可能であろう。


 私はそう確信した。

 仮に今日一日を安穏に過ごせるとしても、それは明日滅亡することには代え

 られないであろう。

 明日のために、今日の難儀を忍ぼうではないか。

 一同が志を一つにして、力の限りを尽くそうではないか。


 もちろん、私自身の身の周りをはじめ、すべてのことにおいて省けるものは

 省いていく。

 気の付いたことがあれば、誰でも遠慮なく申し出てもらいたい。

 いうまでもないことであるが、私だけが安泰でありたいなどという気持ちは

 毛頭ない。

 
 諸士も百姓も大倹約をするならば、今はさぞ難儀であり不自由であろうが、や

 がては一人残らず家を保ち身を安んじることができるようになるであろう。

 そうしたいためにこの倹約を命じるのである。

 この点をよく考えれば、今日の難儀を難儀とも不自由とも思わないはずである。

 
 このことを十分に心得て、どの家においても非常な倹約を実行し、子孫を大切に

 し、親類とも仲睦まじくし、長く当藩が安泰であるように努力しなければならな

 い。

 そのために、皆がよく協力してくれるよう頼む。


■以上が、大倹令です。


 この令を発布した後、自らも一汁一菜、木綿着用、今でいう自分の

 給料を千五百両から二百九両に減額しています。


 これは経営改善のための奇策ではありません。

 
 しかし、上杉鷹山のすごさは、この当たり前のことを藩の一人ひとりが

 意欲をもって取り組むことができるように、あらゆる誠意を示したこ

 にあります。


 これによって、藩全体の意識が変わったのです。


 ──────────────────────────────
 【 部下の意欲を奮い立たすのは、トップの誠意である 】
 ──────────────────────────────
 

■財政危機が叫ばれている中で、社長や役員あるいは、首長や議員さん

 の報酬を下げる、下げないの議論があります。


 特に政治においては、ある人は、首長や議員さんの報酬を下げると、

 人材や仕事の質が低下するといっています。


 また、お金持ちしか政治家になれなくなるともいっています。

 確かにお金持ちしか政治家になれないのでは、困ります。


■しかし、一般庶民の平均所得よりも高い報酬を得ていて、これ以上報

 酬を下げると、お金もちしか政治家になれなくなるから、報酬は下げ

 ない。

 

 これはおかしいですね。

 

 政治家は一般庶民以上の生活ができないと

 だめなのでしょうか。

 

 私は、一般庶民の平均所得と同じ報酬なら、一般庶民の生活水準が

 実感できるのですから、これでいいと思います。

 
 確かに、首長や議員さんの報酬を下げたところで、全体の金額からすれ

 ばその金額的な効果は知れています。

 

 金額的な効果だけであれば削減す

 べきところは他にもっとあります。

 
 サラリーマン時代にも会社の経営健全化のための方策で役員、管理職の

 給与引下げに関して、この議論はよくしました。


 しかし、「自分達は特別でいいんだ」では、皆の気持ちが決して同じ方

 向には向きません。

 
 報酬を下げる意義はそこにあるのです。
  


■また、報酬が下がると、政治の質が低下するのでしょうか。

 政治家を志す人は、皆、自分は後においておいて、国民、県民、市民の

 ために尽くすという高い理念をお持ちだと思います。

 
 皆のために一生懸命やっていたら、いつの間にか、お金がなくなって自

 分の家は、井戸と塀だけになってしまっていた。

 

 そんな井戸塀政治家なら、きっと皆の気持ちを同じ方向に向けられると

 思います。

 
 リーダーの皆さん、

 日本をよくするために、一丸となって進みましょう。


 


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このページは、が2011年8月15日 08:34に書いたブログ記事です。

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