「ちょっと一言」こころの栄養 バックナンバー: 2010年1月アーカイブ

■皆さん、こんにちは。

 今日は「恐怖と自信」についてお話しします。
 
 前回は、お墓の話をしました。その続きではありませんが、「な
 ぜ人は死ぬことが怖いのか」について考えてみます。

■高校生時代にアメリカンフットボールを指導して下さった体育の
 先生が私たち部員を前にして、こんなことを言ったのを覚えてい
 ます。

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 人は、自分が経験したことのないものを怖がる。

 死ぬのが怖いのと同じで、これから先、自分がどうなるのか分か
 らないからである。
 
 もし、既に同じことを経験して、自分がこれから先どうなるのか
 を知っていれば、苦痛があるとかの体の痛みのあるものは別とし
 て、得体の知れない恐怖に襲われることはない。

 だから、お前たちは今のうちに、いやというほど体力的にも精神
 的にも厳しい練習をしておくべきである。

 それをのり越えた先に何があるのかを、先に経験しておけば、社
 会人になって、つらいことがあっても恐れることなくきっと、の
 り越えられる。

 お前たちが今、厳しい練習をしておく意義がそこにある。
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 先生は、辛い練習に不満を持っていた私たち部員にそういって諭
 しました。

■どんな一流の選手もそうですが、厳しい練習で耐えられないのは

 体力ではなく、精神なのです。

 体のつらさはそのときだけですが、精神面でのつらさは、自分の
 理想とするレベルに到達するまで続くからです。

 実際、厳しい練習で知られる大学に進学し、何時間も延々とダッ
 シュをさせられてアメリカンフットボールで日本一に輝いた友人
 も

 「体力的にきついのは何でもない。でも精神的にきついのには耐
  えられない」 

 と現役時代には、こぼしていました。


■さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

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【 経験が多いほど得体の知れない恐怖は少なくなる 】
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■あるとき私たち高校生の練習に、当時大学日本一になっていた大
 学の選手に指導にきてもらったことがあります。

 私たちは、その大学の練習には鉄拳制裁もあることを知っていま
 したので、きっとこわい選手が来るのだろうと思っていました。

 ところが、実際に指導を受けてみると、その選手は丁寧な言葉を
 使ってとても穏やかに私たちに接してくれました。

 その選手のことを、私たちは鉄拳制裁を受けながら、厳しい練習
 をしている人だとはとても思えませんでした。

■その選手が帰った後、先生が私たちにいいました。

 「お前ら不思議に思っとるやろ。何であんな穏やかな顔をして、
  丁寧な言葉を使うんやろうと」

 「なんでや分かるか?」

 「精神的に厳しい練習を乗り越えた人間は、皆あんな穏やかな
  顔になるんや」

 「自分に自信ができて、他人に優しくなれるからや」

■皆さん、こんにちは。

 今日は「幸せはどこにあるか」についてお話しします。

■皆さんは、幸とはどこにあって、どういうものだと思われてい

 ますか。

 もちろん、人の幸福が自分の幸福ではありません。

 ところが、これを比べてしまう。隣の柿は赤いと思ってしまう。

 ここに悲劇が生まれます。

■一旦物事を他人と比べ始めると、きりがありません。

 隣はクラウンを買った。

 それに比べてうちは軽自動車だ。不幸だと思う。

 そして、クラウンを買う。

■やがて隣は、ベンツのAMGを買う。

 それに比べてうちはクラウンだ。

 ベンツに乗れないのは不幸だと思う。

 そんなことが延々と繰り返されます。

 幸福は、決して他人との比較の中には見つけられないものです。

 幸福は自分のこころの中にしかありません。
 
■病気でベッドから起き上がることもできずに、何ヶ月も入院し

 ていたあなたに、やっと退院の日が来ました。

 病院の扉を開けたあなたは、外の空気を吸って

 「ああ、空気が美味しい。なんて幸せなんだ」

 と思うでしょう。

 決して、隣のベンツのことなど考えないはずです。
 
 人は考え方次第でいくらでも幸福を見つけることができます。

 幸福は自分のこころのなかにあるのです。

■自分にない物を欲しがるよりも、自分に今あるものに幸福を

 感じることができれば最高です。

 今自分にあるもののありがたみは、、それがある時には分かりま
 せん。

 私は昔からよく、もしこれがなかったらどうなるかを考えるくせ
 がありました。
 
 もし、水がなかったら、もし、家族がなかったら、もし健康でな
 かったら。

 そう思うと、退院時のあの幸福感を思い出します。そして自分は
 幸福だと感じることができます。


さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

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【 幸福は他人との比較ではなく、自分のこころの中にある 】
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■芥川龍之介の代表作である「芋粥」にこんな話が書かれています。

 背が低く顔立ちも良くなく、いつも風采のあがらない主人公の唯
 一の願いは、身分の高い貴族のように腹一杯飽きるほど芋粥を食
 べてみたいということでした。

 その主人公が京都から長い道のりを経て敦賀に着き、やっと芋粥
 にありつけるときがきました。

 ところが、その主人公は、料理場で大勢の人が大釜で、とても食
 べきれないほど大量の芋を煮、芋のにおいを含んだ湯気柱がもく
 もくと空へ舞い上がっていくのを見ました。

 その後、主人公は運ばれてきたありあまるほどの芋粥を目の前に
 しながら、一口も食べることができませんでした。

 既に食べるのが苦痛になっていたからです。

 主人公はそのときになって、芋粥をいっぱい食べられる境遇より
 も

 「いつか芋粥を腹一杯食べたいな」

 と思っていたころの方が、幸せだったと分かるのです。

■幸福は自分のこころの中にあります。

 他人の幸福と比べることでは、決して幸福になれません。

 幸福とはそんなにたいそうなことではないのです。

 こころの持ち方、ものの見方によっては、他人から見た状況は同
 じでも、自分は幸福だと感じることができるのです。

■皆さん、こんにちは。

 今日は「組織に属するありがたみ」についてお話しします。
 
 皆さんはたいてい何らかの組織に属して生活をされていると思い
 ます。

 その組織に属しているありがたみは、その組織を離れて初めて分
 かるものです。

 以下は私の体験です。
  
■19年間勤めた会社を辞めてすぐの出来事です。

 今まで使っていた携帯電話のバッテリーの消耗が早くなったので
 新しく電話機を買い替えようと、携帯電話ショップに出かけたと
 きのことです。

 お店に入って、いろんな電話機を見せられて、私はその中から自
 分の気に入ったシルバーホワイトの電話機を買うことにしました。

■私が店員さんに、そのことを告げると

 「はい、分かりました。ありがとうございます」

 「ところで、代金のお支払いはどうなさいますか」

 「今なら、6ヶ月継続使用していただくことを条件にお得な分割
  払いのプランがありますので、ぜひご利用下さい」

 そのプランのキャンペーン中なのか店員さんは、熱心に分割払い
 を私に勧めました。

■私は、特に分割払いをする必要はなかったのですが、そんなに勧
 めるのならいいか、と思い

 「では、そのプランでお願いします」

 と店員さんに告げました。

 「ありがとうございます。この用紙に必要事項を書いて下さい」
 
 それを聞いた店員さんはうれしそうに、私に申込用紙を差し出し
 ました。
 
■私はその用紙に必要事項を記入して、店員さんに渡しました。

 すると、その用紙を見た店員さんの顔色が急に変りました。

 そして、何も言わずにお店の奥の方に入っていき、どうやらどこ
 かへ電話をしている様子でした。

 しばらくして、店員さんが帰ってきましたが、その顔にはもう笑
 顔はありませんでした。

 「このプランは適用できません」

 店員さんは、ぶっきらぼうにそう言うと、申込用紙をその場で破
 いてゴミ箱の中に捨ててしまいました。

■私は、現金で電話機の代金の支払いを済ませると、店を出ました。

 私には、このプランを適用できなかった理由は分かっていました。

 皆さん、何だと思われますか。

 会社にお勤めの方は、おそらく経験がないと思います。

■実は、

 申込用紙に職業欄と年収欄があったのです。

 私はそこに「無職」「年収0」と書いたのです。

 実際にそのときはそうでしたから、正直にそう書いたのです。

 今までは、職業欄に「○○株式会社社員」と書いていました
 が、正直そのありがたみは意識しませんでした。

 一応、勤めていたのは一部上場企業でしたから、その信用が
 あったのでしょうが。

■無職、年収0では社会から全く信用がない。

 そのときに初めてそのことを痛感しました。

 そして、

 「今度来るときは、○○株式会社代表取締役社長と書いたる」

 そう思いました。

 

■さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

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【 組織に属するありがたみは失ってみて初めて分かる 】
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■今考えると、サラリーマン時代は給料は少々安くとも、組織に属
 する恩恵が一杯あったように思います。

 病気で会社を休んでも有給ですから、給料は減りません。

 会社の信用で個人にお金も貸してもらえます。

 私は、その組織のありがたみを身を持って体験し、今、やっと自
 分で組織を作りかけたところです。

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