皆さんは、「パラダイム」という言葉を知っておられますか。
「物の見方や考え方」という意味でしょうか。
今から私がパラダイム転換をした瞬間のお話をします。
ご存知のように私は、高校時代にアメリカンフットボールをやっ
ていました。
最初は作って間もない同好会であったために、まだキャプテンが
きまっておらず、顧問の先生が指導をしていました。
その先生は日本体育大学出だけあって厳しい練習を部員に課しま
した。
練習中、いつも先生は怒鳴っていました。
「声が小さい。もっと声を出せ」
「手を抜くな。倒れるまで走れ」
■私たちは、毎日練習が終わると、へとへとになってグランドに倒
れこんでいました。
練習が終わったときだけ、やっと終わったと、うれしさで一杯だ
ったことを覚えています。
ただ、そのうれしさは、その日自宅に帰るまでのわずかな時間し
か続きませんでした。
自宅に帰ると、「また明日は練習がある」
と思い始め、憂鬱な気分になります。
「また辛い練習をやらされるのか、いややなあ」
と。
■ところが、あることをきっかけに、全く気持ちが変りました。
そう、私はキャプテンに選ばれてしまったのです。
そして、顧問の先生は、いいました。
「チームが強くなるかならんかは、全てキャプテンしだいや」
「厳しい練習は、強くなるためにやっとるんや」
「厳しい練習ができるかどうかは、キャプテンしだいや」
「そやから、チームが強くなるかならんかは全てキャプテンしだ
いや」
その次の日、私は部員にどなっていました。
「もっと、声を出せ」
「怠けるな」
■キャプテンになったときから、考え方が一瞬にして変ってしまっ
たのです。
驚くほど、ほんの一瞬に。
自分の考え方の基本が、
「練習をやらされる」
から
「強くなるために練習をやる」
に変ってしまったのです。
それ以後、練習をいやだと思ったことは一度もありません。
強くなるためにはどうすればいいか
それだけを考えるようになりました。
もちろん練習の厳しさは、全く変りません。
これが、私の経験したパラダイムの転換です。
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【 原理原則に戻ることでパラダイムの転換が起こる 】
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■皆さんもよくご存知の1000万部を越える売り上げを記録した
「7つの習慣(スティーブン・R・コヴィ著)キング・ベアー出版」
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の中にこんな物語が紹介されています。
訓練艦隊に属する二隻の戦艦が、悪天候の中、軍事演習のため数
日間にわたり航海を続けていた。私は先頭を行く戦艦のブリッジ
で夕暮れを迎えた。
視界が悪く断片的に霧がかかっていたため、艦長もブリッジに残
り、状況を見守っていた。
暗くなってから間もなく、ブリッジの見張りが次のように報告し
た。
「艦首の右舷側の進路に光が見えます」
「停止しているのか、船尾の方向に動いているのか」
と艦長。
見張りの答えは
「停止しています、艦長」
つまり、その船はこちらの進路上にあり、衝突の危険性があると
いうことだった。
艦長は信号手に命じた。
「その船に対し、信号を出せ。衝突の危険性があるため、二十度
進路を変更せよ、と」
相手からの信号が返ってきた。
「そちらの方が二十度進路を変えるように助言する」
船長は再び命令した。
「信号を送れ。私は艦長だ。二十度進路を変えるように」
すると
「こちらは二等航海士だ。そちらの方こそ二十度進路を変えるよ
うに命令する」
と、返事が返ってきた。
艦長は怒り出し
「信号を送れ。こちらは戦艦だ。二十度進路を変えろ」
と叫んだ。
点滅する光の信号が返ってきた。
「こちらは灯台である」
我々は進路を変えた。
■これは、パラダイムの転換が起きる瞬間をみごとに表現していま
す。
原理原則を知ることによって、パラダイムの転換が起きるのです。
なぜ、厳しい練習をするのか。それは、強くなるためです。
当たり前のことですが、練習の厳しさだけに注意が向くと、原理
原則を忘れてしまいます。
皆さんも、原理原則に戻ることで、パラダイムの転換ができるか
もしれませんね。
もう少し知りたい方は
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