2006年2月アーカイブ

■皆さん、こんにちは。
  突然ですが、最近大喧嘩をしたことがありますか。

 「子供じゃあるまいし、ここ数年してないよ」
 という方が多いのではないでしょうか。
 
■今日は、私がサラリーマンのころにお世話になった大先輩のお話を
 します。

■当時、私が課長で、その先輩は係長でした。私は35歳、その係長
 は50歳を過ぎていましたが、浪花節そのままといった雰囲気を持
 った人物でした。

■私も、その係長もお酒が好きで、よく仕事帰りに一緒に職場近くの
 居酒屋に寄り道をすることがありました。

■居酒屋に入ると、最初は二人とも気持ちよく飲んでいるのですが、
 しばらくすると必ず仕事の話になってきます。
 
 「課長のあのときの指示が悪い」とか「課長は甘い」とかの話題に
 なるのです。

■その係長も最初は
 私のことを「課長」と呼んでいるのですが、そのうちに呼び捨てに
 なります。
 先輩ですから、もちろんあたりまえのことですが。

■裃を外して本音で説教をしてくれるのです。

■ただ、その話が執拗で何回も同じことを繰り返すようになってくる
 と、こちらもだんだんと腹が立ってきます。

■そして必ず、大声で怒鳴り合い、今にも掴み合いになりそうな喧嘩
 になってしまうのです。
 こうなると、お店もいい迷惑です。

■それからしばらくすると

 「お前のためを思って言ってるのに」
 「わしはもうおまえとは一切話をせん。帰る」

 そう言い残し、必ずその係長がお金を払って先に帰ってしまいま
 す。
 
■さて、翌日

■出社してきた係長はいつものように
 「課長、おはようございます」
 といって、本当に何もなかったかのように、仕事を始めます。

■それで、過去に、一度だけ不思議に思って聞いたことがあります。
 「本当に昨日、何があったのか覚えていないんですか」
 
■帰ってきた答えは
 「わしは課長と大喧嘩したことなど全く覚えてないよ」
 でした。

 「・・・?」


□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

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  【 本音で説教をしてくれる先輩はありがたい  】
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■私は、いつも説教をされることが分かっていても、不思議とこの係
 長の誘いを断ったことはありません。

■それどころか、毎回楽しみにしていたくらいです。

■その係長は私にもっと良くなってほしくて、説教をしてくれている
 ことが、分かるからです。
 
 どうでもいい人に対して、喧嘩してまで説教をする人はいないはず
 です。

■その係長は、しばらくして定年になり、数年後に私も退職しました
 が、今となってはそのときのことを大変感謝しています。

 

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 最後までお読みいただきありがとうございました。

  

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      岩崎吉男    mag@knowledge-store.jp
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■皆さん、こんにちは。
  今日は、私の学生時代のお話をします。
  
■私は神戸の大学に自宅から通っていたのですが、母子家庭であった
 たために裕福ではありませんでした。
 いつも財布には千円くらいしかなく、教科書も満足に買えない状況
 でした。

■ある日、学校の帰りに地元の駅の近くで友達と待ち合わせをしてい
 ました。
 授業が終わって、電車に乗ろうとしたときです。
 財布を開けてびっくりしました。

■なんと財布の中には100円玉が四つあるだけです。
 待ち合わせの駅までの切符を買うお金がないのです。

■しまったと思ったのですが、無いものはどうしようもありません。
 私は、仕方なく400円を全部使って目的の駅の2つ手前の駅まで
 の切符を買いました。そしてとりあえず電車にのりました。

■電車の中でどうしようかと必死に考えた結果、一つだけ解決方法を
 思いついたのです。
 街ち合わせの駅の四つ手前の駅の近くに友達の家があったのです。

■私は、その友達にお金を借りようと思ったのです。
 まもなく電車はその友達のいる駅に着きました。
 
■私は、その駅で電車を降りて、駅員さんに切符を渡して
 「すいません。貧乏でお金がないんです。友達にお金を借りてくる
  んで、この切符預かっておいてください。絶対にすぐに戻ってき
  ますから」
 と、恥ずかしげもなくいいました。

■駅員さんは、何のことか分からずキョトンとしていましたが
 とりあえず切符を預かってくれました。

■幸いにも、友達は家にいて、私は、頼み込んで3千円を借りること
 に成功して、また駅に戻ってきました。

■「すいません。切符を返してもらえますか」
 私は、駅員さんにお願いして切符を返してもらい、また電車に乗り
 ました。

■よくよく考えれば本当は、こんなことはできないはずです。
 途中下車無効ですから、その駅で降りたときに切符は無効になって
 いたはずです。

■その駅員さんは親切で、許してくれたのでしょうか。
 当時の私には、そんなことを考える余裕はありません。

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

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  【 無心でやれば、助けが得られることもある  】
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■どうでしょう。
 私は、切符が途中下車無効なことなど、考えも及ばず、ただただ
 どうやって、目的地まで電車に乗るか。
 を考えて行動しました。

■もし、私が切符が途中下車無効であることを知っていて、うまく駅
 員さんをだますか、説得しようとしたら、うまくいかなかったかも
 分かりません。
 
■無心だったからよかったのでしょう。

 

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 ■今日は、私が以前勤めていた会社に新入社員が入ってきたときの
 エピソードです。

■ある年の4月に私の事務所に、大卒の新入社員が一人配属されて
 きました。
 
 A君です。

■私は早速A君を紹介するために、別の棟にある現場詰所に連れて
 行きました。そして、現場の皆さんに紹介を済ませました。
 ここまではよかったのです。

■そのときに、ある班でたまたま、終業後に飲み会をする予定があっ
 たのです。
 私は、その班の担当でもあったのでその飲み会に誘われていたの
 ですが、弾みでA君も参加することになってしまいました。

■A君はその班の所属ではありません。

■終業後いよいよ、飲み会が始まって和やかな雰囲気の中、私はA君
 を残し途中で退席しました。別件の宴会があったからです。

■次の日の朝、A君が私のところにやってきました。
 「課長、朝、目が覚めたら、班の詰所にいました。」
 「それで畳の上が血だらけになっていました。」
 「私には昨夜の記憶がないのですが。」
 と、いうのです。

■よく見ると顔が腫れ上がっていました。
 私は
「これは、殴られたな。」
 とすぐに分かりました。

■そして、私はA君に聞きました。
 「それで、どうするつもりや。」

■すると
 「記憶にはないですが、先輩に殴られたということは、私が悪い
 と思います。」
 とはっきりといいました。

■その言葉を聞いたので
 「そうか。それやったら今から現場に行って謝ってこい。今丁度
 朝礼をやっとるはずや。」
 というと

■「わかりました。」
 A君はさわやかに返事をすると一人事務所を出ていきました。

■A君は現場の皆の前で頭を下げて謝り、その後、血で汚れた詰所の
 畳を一人で一生懸命に拭いていると、後から先輩が二人きて手伝っ
 てくれたそうです。

■その後、A君は現場にとてもかわいがられ、今ではその部署の長に
 なっています。
 手伝った二人が、殴った人間かどうかは分かりません。

□□□ 今日の「ちょっと一言」です。  □□□

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  【 さわやかないさぎよさは人をひきつける  】
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■人は、弱いもので自分を守ろうとして、なかなか自分の非を認めよ
 うとしません。特に相手方にも非があるときはなおさらです。

■上のエピソードでも、顔を殴られたのだから、相手が悪いに決まっ
 ていると、つい主張したくなります。

■そんなときに、一切の言い訳をせずに、大勢の前でいさぎよく謝る
 人物に出会うと、人は何か自分にないさわやかさを感じるのではな
 いでしょうか。

■ときに、何かと理屈をつけて自分の正当性を主張するよりも、あっ
 さりと謝ってしまったほうが、相手方に受け入れられる場合があり
 ます。

■謝るときには、いさぎよさが大切なような気がします。

 

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■神戸に震災があった後、すぐのお話です。

■地震発生から3日たったときです。
 震災で鉄道が不通になっていました。
 会社から10km離れた自分の担当する工事現場も被害にあってい
 ました。

■この被害を復旧するためには、そこに人を派遣する必要がありま
 す。

■そこで、私は現場担当の班長に
 「A現場の被害の様子を見てきて、その復旧作業をしてほしい。」
 と指示しました。

■ところが、それを聞いた班長は
 「交通機関がないのに、そこに班員を行かすことはできない。」
 と断ってきました。

■そこで、私は、工事現場まで一人で歩いて行くことにしました。
 往復20kmを5時間かけて歩き、ポラロイドカメラでその現場の
 被災状況の写真を撮りました。

■そして、会社に帰ってきて、その班長のところにいき、写真を見
 せて
 「A現場の被害状況は、こうです。」
 と説明しました。

■すると、それを聞いた班長は
 「わかった。明日から班員を歩かせて現場に行かせる。」
 「あんたには負けた。」
 と微笑みながらいってくれました。


□□□ 今日の「ちょっと一言」です。  □□□

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  【 やりたいことを真剣に行動で示すと相手も理解する  】
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■「自分ができもしないことを他人に命令するな。」
 という人がいます。

■これは、本当は誤った考えです。

■そんなことを言い出すと、全てのことができないと指導者になれ
 ないことになってしまいます。

■でも、なかなか誤った考えだと理解している人は少ないと思います。
 この議論は、またの機会にします。

■では、このような場合にどうすればいいでしょうか。

■そんな相手には、やはり、やりたいことを真剣に行動で示すことが
 大切だと思います。

■そのとき、完全にできなくてもいいのです。できないから頼んで
 いるわけですから。

■「自分は苦労しないから、勝手なことを命令している。」という
 相手の反感が解消すれば、動いてくれると思います。

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■今回はサラリーマン時代、技術部門にいたときの話です。
 
■その職場にはA係とB係がありました。
 A係は主に施設の新設を担当する係で、B係は主にその施設の保
 守、すなわちメンテナンスをする係でした。

■あるとき、A係の担当者XとB係の担当者Yが新たに作った設備
 のことで、口論していました。

■担当者Yは
 「A係の作った設備は、メンテナンスのことを考えていない。自
 分たちの理想だけで施設を作っている。」
 といい

■一方、担当者Xは
 「B係は会社の予算、世間の技術動向が分かっていない。自分た
 ちが楽をすることばかり考えている。」
 といいました。

■そこで、私は、数ヵ月後にこの二人の係を交換する異動を実行し
 たのです。

■半年後、どうなったと思いますか。

■担当者Xも担当者Yも、相手の係の批判を一切しなくなりました。

 

□□□ 今日の「ちょっと一言」です。  □□□

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  【 相手の立場になって初めて分かることがある  】
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■人は、意識しておかないと自分のことを中心に物事を考えてしま
 います。

■生物ですから、生きていくうえにはあたりまえのことですが、生
 命に危険のないときでも、つい自分の立場や経験だけから物事を
 考えてしまう弱さがあります。

■よほど精神的に成長している人でないと、相手の立場を常に考え
 ることはできないのではないでしょうか。

■私には、できません。

■しかし、自分が実際に相手の立場になってみると、確実に「あの
 とき、あいつはこんな状況にいたのか。」と理解できるのです。

■ですから、「相手の立場になって初めて分かることがある。」と
 いうことだけでも、理解していれば、少しは人間関係が円滑にな
 ると思います。

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■今回は私が、小学生のころのお話です。
 私には、77才になるおじいさんがいました。

■あるとき、私は学校の宿題であった絵を縁側で描いていました。
 1時間くらい描いたあと、まだ完成していなかったのですが、
 そこで一旦止めました。

■提出日が2日後だったからです。

■縁側から、居間に入ってきた私を見て、おじいさんがいいました。
 「もう描きおわったんか。」

■私は
 「いや、まだやけど、明日もあるし。」
 と答えました。

■すると、おじいさんは
 「今から、何かすることがあるんか。」
 と聞いてくるのです。

■私が
 「いや、べつに。」
 と答えると

■おじいさんは
 「それやったら、今日やっとき。」
 「明日は明日でやることがあるやろ。」
 と続きをやるように言いました。


□□□  今日の「ちょっと一言」をどうぞ。  □□□

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  【 今日できることは今日やってしまう   】
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■もう、77才になっていたおじいさんの言葉です。

■自分に残された時間は残り少ないと感じていたのでしょう。

■時間は無限にあるのではなく、有限である。

■だから、今日できることは今日やってしまう。

■明日は、また明日でやるべきことがたくさんある。

■そう言いたかったのだと思います。

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 皆さんそれぞれ悩みをお持ちだと思います。
 その悩みごとの中に、考えてもどうしようもないことってありません
  か。

■悩んで、考えて、どうにかなることであれば、悩む価値はありますが、
 どうにもならないことを悩んでいるのって、冷静に考えれば変ですよ
 ね。

■悩んでも、悩まなくても状況は変わらず、結果は同じなのですから

■こんなときには、昔からよく「何か気晴らしにやってみたら。」
 とアドバイスを受けることがあります。

■でも、「悩みごとがあるのに、そんな気分になれない。」というのが、 大部分の方の反応のような気がします。

■本当にそうでしょうか。

■ここに一つの真理があります。

□□□  今日の「ちょっと一言」をどうぞ。  □□□

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  【 人間は絶対に同時に2つのことを考えられない   】
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■これは、真理です。

■たとえば、今悩んでいることよりももっと重大なこと、つまり自宅
 が火事になるようなことが起こったら、そのときには、今までの悩
 みは頭の中から消えていますよね。
 これは、だれも経験があるはずです。

■ですから、やはり、気分転換に違うことをやってみるということは
 大切です。

■そのうちに、そちらの方が重要になってくるかもわかりません。

■もう一度、いいます。

 人間は絶対に同時に2つのことを考えられない
 
 のです。

■悩んでもどうにもならないことを悩むより、早く代わりの考えごと
 を見つけてしまいましょう。

 

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