■皆さん、こんにちは。
今日は、異常事態が起こったときに本当の人間性が現れるお話をし
ます。
■ある会社の支社にA課長とB課長がいました。
A課長は、上司にうけがよく、出世間違いなしといわれていた人物
でした。ただ、現場のことにはあまり興味がなく、いつも上司のこ
とばかり気にしていました。
■一方、B課長は、現場の経験が長く、上司との付き合いには興味が
なく、その分出世は無理だろうといわれていました。
■その会社は、運輸業を営んでおり、日常何もなければ決められたこ
とを、決められたとおりに実行することが最も重要とされていまし
た。
■そんなときに、あの阪神淡路大震災が起こりました。
■朝から道路は寸断され、電気や水道もストップするなか当然会社の
運輸業は休業せざるを得ません。
■おまけに、本社は震災で倒壊していました。
■ただ、幸いにも神戸市北部にある支社には、大きな被害がありませ
んでした。
■そして、支社に出社してきたA課長とB課長に部下が詰め寄りまし
た。
「本社が倒壊したそうです。本社の業務は全てストップしています」
「我々はどうすればいいのかご指示ください」
■それを聞いたA課長は、連絡が取れないと部下がいっているのにも
かかわらず、顔色を変えて必死で本社の指示を仰ごうと、つながら
ない電話をかけ続けました。
■ところがB課長といえば、平然として落ち着き払い、しばらく腕組
みをして考えた後、てきぱきと部下に指示を与えました。
「関東方面に出向いている車には、しばらく大阪で待機するように
連絡しなさい」
「そして、社員とその家族の安否、それに運送設備の被災状況を手
分けして確認しなさい」
「非常事態なので、本社機能は、この支社が受け持つことを全ての
営業所に連絡しなさい。私が責任を持つ」
B課長がそういったとき、既にA課長の姿はありませんでした。
■そして次の日からA課長は支社に姿を見せなくなってしまいました。
■それから3日が過ぎました。
■ようやく、本社の役員と連絡がとれ、会社の体制が整ってきたとこ
ろでした。
■A課長がのこのこと出社してきました。
そしてこういいました。
「非常事態だから、重役の安否を確認するのに3日もかかってしま
った。やっと連絡が取れた」
■でも、実は出社すると、自分で指示をして、その責任をとらねばな
らない。
このことができずに逃げただけでした。
■さて、
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【 異常事態が発生したときに本当の人間の能力が見える 】
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■人というのは、平穏無事なときには、なかなか本性が見えないもの
です。
口では都合のいいことがいえ、また上司におべんちゃらを使うこと
ができるからです。
■しかし、いくら上司にはうけが良くても、肝が座らず、ごきげんと
りしかやっていない者は、いざとなると腰が抜けて何もできなくな
ってしまうものです。
■異常事態が起きても平気な顔をして、落ち着いているものは、日頃
から仕事をよく見ており、また、決断力があります。
■よく、親会社から派遣された子会社の社長が、就任するなり、あれ
やこれやと時間を区切って資料を要求したり、どうみても実現不可
能な計画を要求したりすることがあります。
■これは、就任したての社長が、その会社の弱点や、優秀な人物を見
抜くのに絶好の方法だからです。
■平常時に人物を見抜くには多くの時間と洞察力が必要されます。
■でも、異常時には、人の本性と、組織の弱点が見事に現れてくるこ
とを少なくとも社長と呼ばれる人たちはよく知っているのです。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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岩崎吉男 mag@knowledge-store.jp
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