失敗は成功の価値を高めるためにある

■皆さん、こんにちは。

　　
　今日は「失敗の意味」についてお話しします。
　

■４月に入り、大学の入学式が始まっています。

　私も学習塾を経営している関係で他人ごとではありません。

　
　先月、ある生徒さんの保護者さんが入学控えて挨拶にこられ

　ました。

　その生徒さんは、第一志望校に不合格で第二志望校に入学す

　ることになっていました。

　「やっぱり先生の言われていたとおり、現実はそんなに甘く

　　はありませんでした」

　その保護者さんは、私が出ていくとにっこりとしながら、そ
　
　う言われました。

　
　実はこの生徒さんは、ある科目については学年でトップクラ

　スでした。

　
　あるとき偶然に街中でこの保護者さんにお会いしたときに、

　こんな会話を交わしていました。

　
　「先生、うちの息子は英語が学年でトップなんです。それで

　　本人も得意になって、○○大学に行ける、と言っているん

　　ですよ」

　「そうですか。お母さん、それは嬉しいことですね。でも、

　　有名国立大学は、一科目ができるからといって、そう簡単

　　に合格できるほど甘くはないですよ」

　この生徒さんは、英語が抜群にできたのですが、他の科目は

　並みの実力でした。
　
　

　そんなこともあって、第一志望の大学に合格できなくて、さ

　ぞかし残念がっていらっしゃるだろうなと思いながら、お話

　を聞いていると、その保護者さんは、意外なことをおっしゃ

　いました。

　「でも、私はこれで良かったと思っているんです。高校も推

　　薦で苦労せずに第一志望校に入学できて、これで、大学も

　　第一志望にすんなりと通ってしまったら、この子は全く現

　　実社会の厳しさを知らないまま、大学を卒業して社会に出

　　ることになってしまいます」

　
　「実社会は、全てが希望どおりにいかないことは私がよく知

　　っていますから、社会人になってから初めて失敗して挫折

　　感を味わうより、この方が良かったと思っているんですよ。

　　これは、負け惜しみでもなんでもありません。

　　いい経験をさせていただき、本当にありがとうございまし

　　た」

　
　　私は、第一志望校に合格させてあげることができなかった

　　のに、感謝されて大変恐縮してしまいました。

　　そこで私は

　　「そうですね。第一志望の大学へ入学することが最終目的

　　　ではないですよね。いかに、世の中に貢献できて人に喜

　　　んでもらえる仕事が楽しくできるか。いかに仕事と共に

　　　自分を成長させることができるか。これが人生の最終目

　　　的ですね。大学でそのことをゆっくりと考えられたらい

　　　いですね」

　　
　　と申し上げました。
　

■　人生で起こることは、全て必然で全ての出来事について意

　　味があるといいます。

　　ですから当然、失敗することにも意味があります。

　　失敗を全く経験していなければ、本当の成功の価値は分か

　　りません。

　　夜のない世界では、太陽のありがたみが分からないのと同

　　じです。

　　失敗は、成功の価値を理解するための大切な経験なのです。
　　

 

■さて

□□□　　今日の「ちょっと一言」です。　　□□□

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　　　　　【　失敗は成功の価値を高めるためにある  】

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■６５歳でイギリスの首相になったチャーチルの人生は、若い

　頃から失敗続きでした。

　父は大蔵大臣を務めた政治家であり、母はアメリカの銀行家レ

　ナード・ジェロームの娘でしたが、チャーチルは政治家になる

　ための名門大学には進学できませんでした。

　
　おまけに、大学の代りに受験した陸軍士官学校の受験にも２度

　失敗しています。

　やっと合格した陸軍士官学校でも点数が低かったため、父の希

　望する歩兵科ではなく、騎兵科にまわされています。

　また、２４歳のときにはボーア軍の捕虜となっています。

 

■その彼が、第二次世界大戦の冒頭、ナチス・ドイツがベルギー

　やオランダに侵攻したその日、６５歳で首相になりました。

　そのときのことを彼は、日記にこう記しています。

　「私は全てが来るままに受けた。・・・やがて午前３時にベッ

　　ドに入ったとき、私は深い安堵感を覚えたのを隠すことはで

　　きない。私の全ての過去の生活は、ただこの時、この試練の

　　ための準備にすぎなかったように感じた」

■私も含め、受験や、資格試験、昇進試験で失敗した皆さん。

　「今までの出来事は全てこの日のためやったんや」

　
　誰しもそう確信できる日が必ずやってきます。

　
　安心して明日を生ききりましょう。
　

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　最後までお読みいただき本当にありがとうございました。

　　
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