■皆さん、こんにちは。
今日は、"人の信用 "について
お話しします。
■ある一部上場会社での出来事です。
■その会社では、定期的にペーパーでの昇進試験がありました。
ある日、現場に配属された入社3年目のA君は、徹夜明けで試験を
受けていました。
■その試験会場には、いわゆる本社組と言われる机の上で仕事をする
ことを主とする社員も多く来ていました。
■試験が始まり問題を開くと、なんと紙面の半分は、社歌の一部が
ところどころ穴開きになっている穴埋め問題でした。
■本社では、毎日始業時と昼休に社歌が流れているようでしたが、現
場にいるA君は入社式で聞いて以来、社歌など聞いたことがありま
せん。
■一般常識や、自分の専門技術のことなどが出ると思っていたA君は
がっかりするとともに、腹だたしくなってきました。
■「問題を作った本社の連中は何を考えとるんや」
そう思った瞬間に眠さでイライラしていたこともあり
「こんなばかばかしい試験やってられるか」
という気持ちになってきて、ついに白紙で回答用紙を提出してしま
いました。
■一方、本社の連中は、自分たちの分からない現場のことが少し出て
いたので、必死になって周りにいた現場の社員に聞いていました。
「成績が悪いと本社の恥だと言われる」と。
■それから、一週間経ったころ、A君は担当部長に呼び出されました。
部長は、A君にこう言いました。
「労働組合も含め皆が、おまえは馬鹿だと言っている」
A君はこう答えました。
「では、社歌を完璧に覚えている本社の連中だけが優秀なのですか。
会社の設備の知識や一般常識が全くなくてもです」
「試験を受ける人数は、本社の連中よりも現場の連中のほうが多い
のですから、もっと、平等な試験にすべきだと思います」
しかし、当時この提案は、変わり者の意見だとして決して受け入れ
られることはありませんでした。
■やがて、10年が経ち、A君は現場の管理職になっていました。
A君は、思い出したように平等な昇進試験制度への変更を提案しま
した。
制度の内容は、以前からこのときのためにじっくりと検討していま
した。
■すると、どうでしょう。
A君の提案は、すぐに受け入れられて、会社に採用されました。
■以前と全く同じ趣旨の提案です。
何が違ったのでしょうか。
それは、"A君の信用"です。
■さて、
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【 言ったことの影響力はその人の信用に比例する 】
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■本田宗一郎さんは「人は信用とカネの天秤棒を担ぐ」と
言っておられますが、そのとおりだと思います。
■私の会社ではアルバイトの学生さんがたくさんいますが、
彼らが就職により会社を離れるときには、いつも次の言葉を
送ることにしています。
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さて、4月から、いよいよ社会人です。
これから社会で活躍されるあなたに、サラリーマン暦20年の先輩
から、一言だけアドバイスをさせていただきます。
今では、だいぶ改善されているようですが、社会では、新人がいく
ら良い提案をしても、また正しいことを主張してもまだまだ聞いて
もらえません。
これは、あなたが悪いのではなく、あなたにまだ信用がないからで
す。
社会は、信用のない人物のいうことは聞いてくれません。
しかし、だからといって何も考えずに仕事をしていていいというこ
とではありません。
いつか、きっとあなたも経験を積んで信用を得るときがきます。
そのときに、あわてて、自分の考えや意見をまとめても、遅いので
す。
今から、ものが言える立場になったときのために、ずっと「私なら
こうする」という考えをあたためておくのです。
そして、そのチャンスがきたときに、迷わず実行するのです。
いつでも困ったことがあれば、相談にのります。また気軽に事務所
にお立ち寄りください。
では、ご活躍を期待しております。
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