■皆さん、こんにちは。
今日は、"責任のとり方"についてお話しします。
■人生にはいろいろな出来事があります。
自分の思ったとおりになることもあれば、ならないこともありま
す。
思ったとおりにならないことの方が多いかもしれません。
■こんな話があります。
Aさんは、野球で甲子園に出場経験がありました。
その経験を見込まれて、片田舎の高校の野球部監督にヘッドハン
ティングされました。
その高校の野球部は、県大会ではいつも初戦敗退のオンボロチー
ムでした。
ところが、Aさんが就任するや、その野球部はめきめきと実力を
つけていきました。
■皆を前にしてAさんはこう言いました。
「皆で甲子園に行くのが俺の夢だ。俺についてこい」
そして、2年後にはついに県大会の決勝に出場することになった
のです。
■いよいよ、決勝の当日になりました。
試合は均衡して、8回を終わったところで2対1で負けていまし
た。
9回は先行の相手高が三者凡退に終わり、最後の攻撃です。
■1死ランナー3塁で、4番のB君に打順が回ってきました。
ここで、監督のAさんは、B君にスクイズバントを要求しました。
■B君は緊張して、打席に立ちました。実はB君はあまりバントの
練習をしたことがなかったのです。
ピッチャーが力をふりしぼってボールを投げました。
投げたボールが勢いよくB君に迫ってきました。
B君は緊張しながらも何とかバットをボールに当てました。
が、何と、B君の打ったボールはフラフラと宙に浮き上がってし
まい、ピッチャーのグラブにスッポリと収まってしまいました。
大きな歓声が湧き上ると同時に、3塁を飛び出していたランナー
は3塁~本塁間で挟殺され、試合終了となりました。
■そして、自分の夢が絶たれたAさんは、試合終了後うなだれて帰
ってきたB君に、つい
「お前のせいや」と言ってしまったのです。
その後Aさんは、負けた責任をとると言って、チームを去ってい
ます。
■皆さんはどう思われますか。
Aさんは、バントを失敗したという事実ではなく、今まで一所懸
命に指導してきた「甲子園に出る」という自分の夢が破れて、悔
しいという感情に支配されてしまいました。
それでその感情に反応してB君に「おまえのせいや」と言ってし
まったのです。
つまり、「バントを失敗した」という状況に反応しているのでは
なく、夢が破れた現在の状況に関する自分の感情に反応している
のです。
これはAさんの感情であって、Aさんの感情は誰か他の人のせい
ではありません。
人のよって湧き上る感情は違います。
■そのときのAさんの感情を思えば同情できるのですが、こんな場
合どうすればいいのでしょうか。
冷静になって考えれば分かることですが、どうやっても、起こっ
てしまった現実は変えることができません。
これは真理です。
しかし、現実を素直に受け入れれば、未来は変えることができる
かも分かりません。
■さて、
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【責任をとるとは、現実をあるがままに受け入れて未来を変えること】
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■上の場合は、Aさんは、自分が指示したとおりにならなかったこ
とに腹を立てて、監督を辞めるといい出しています。
でも、負けた事実は変わりません。そして、負けたのは、バント
を失敗したB君のせいではないのです。
■バントの練習が十分でなかったから、負けた。この事実があるだ
けです。
Aさんが責任をとるとは、「バントの練習が足りなかった」この
事実を素直に受け入れて、来年はバントの上手なチームにするこ
と、これだけです。
■責任をとるとは、自分自身を含めて、誰かや何かを責めることで
はなく、その現実をあるがままに受け入れた上で、未来を築いて
いくことだと思います。
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