■皆さん、こんにちは。
今日は、"組織の上下"についてお話しします。
■今でこそ、フラットな組織の良さを取り入れる企業が多くなりま
したが私がサラリーマンをしていたころは、ピラミッド組織が常
識でした。
ピラミッド組織での私の体験談です。
■私がある時、ある会社で、係長をしていた時のことです。
私がいつものように自分の机に座って仕事をしていると、電話が
鳴りました。
「はい、システム係です」
電話に出た私に
「君に頼みたいことがある」
電話の向こうから聞こえる声は、常務取締役のAさんでした。
「はい、何でしょうか」
こう答えた私に
「全社を統合した光通信回線の計画がある。そこで君の意見を聞
かせてほしい」
とのことです。
「分かりました」
私は、それからしばらく電話で常務と話し、自分の意見を伝えま
した。
■その場では言いませんでしたが、常務の行動にどうも納得がいき
ませんでした。
(我社では日頃、組織を大切にして、指示命令系統を守りなさい
と言っているわりに、常務が直接、係長に電話していいものな
のか)
(課長や部長の立場はどうなるのか。これなら課長や部長は不要
になる)
当時私の係には30人の部下がいましたので、私も指示命令系統に
は敏感になっていました。
でもそのときは、さすがに電話で文句をいうこともできずに、流
されてしまい、数ヶ月が経過しました。
■やがて、その年の12月の初めに課で忘年会がもたれ、偶然にもそ
の席に常務取締役のAさんが招待されていました。
宴会が始まって1時間くらい経ったときに、酔いも手伝って、い
つの間にか私は常務の席の横に座っていました。
そして
「常務、この前私に電話で、光通信回線の意見を聞かれましたが、
あれは、組織を無視された行動でまずいんじゃないですか」
「あれでは、部長も課長もいらないじゃないですか」
私は、つい調子に乗って偉そうなことを言ってしまったのです。
■(しまった)
と思ったときにはもう遅く、常務は口を開いていました。
「そうか。それは申し訳ないことをした」
「君もその立場になると分かると思うが、直属の部下とだけコミ
ュニケーションを図っていたのでは、その部署の実態はつかめ
ないものだ」
「決して直属の部下が悪く、私が裸の王様になっているというこ
とではないが、たまには、直接職場の息を感じることが大切だ
なあ」
「もちろん、君に電話して聞いたことは、部長と課長にはちゃん
と話しているよ。だから部長や課長は君の言ったことを知って
いるよ」
「それに、ぼくは君の意見を聞いただけで直接指示命令はしてい
ないよ。これをすると君のいうとおりなってしまうから、だめ
だね」
常務のAさんは、ニッコリと笑って、若造の相手をしてくれまし
た。
■さて、
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【 組織では上の人ほど、下の人との直接接触が重要である 】
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■私の失敗談でした。
確かに、間接的に意見を聞くのと、直接意見を聞くのとでは、微
妙なニュアンスを含む課題ほど、伝わる結果は変わってきます。
これは伝言ゲームをやれば分かることですね。
■上の人が中間を飛ばして直接下の人と接触することは重要なよう
です。
但し、知り得た情報は中間の人にも伝えてやる配慮が必要です。
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