■皆さん、こんにちは。
ここ数日間はテレビでも盛んに教育現場におけるいじめの問題が
報道されるようになりました
そこで、今日は「いじめと人の痛み」についてお話しします。
■「いじめ」は古くて新しい問題です。
今日も、近所の中学生の一人が
「A君をいじめてやった」
というので、心配して聞いてみると、どうやらA君と1対1でケ
ンカをしたらしいのです。
それを聞いた私は
「1対1ならまだええ。絶対に皆で一人をいじめたらあかんで。
孤独ほどつらいものはないからな」
と言ってしまいました。
■40年前でも上級生にいじめられるということはよくありました。
私もよく上級生にいじめられました。
例えば、学校の帰り道の途中で上級生が数人待ち構えていて、下
級生数人をいじめる。
ランドセルの中に一杯石ころを入れられて、このまま家まで歩い
て帰れと命令されたことがありました。
そのときは、上級生が怖くて、いやだなと思いましたが、下級生
数人が一緒にいじめられていましたので、決して孤独感はありま
せんでした。
■今と昔の子どもはどう違うのでしょうか。
昔は、誰もが上級生にいじめられる側の立場を小学校の低学年で
経験していました。
そしてやがて、いじめられた子どもが高学年になって、低学年を
またいじめる。
この繰り返しだったような気がします。
■ただ、今と決定的に違うのは、いじめる側も、昔いじめられた経
験を持つので、いじめることは悪いことだと知っていて、いじめ
られる側の痛みも知っていたことです。
ですから、徹底的にはいじめない。
このあたりでおいておかないと、だめだということを体験から知
っている。
集団でたった一人をやっつけるのは、卑怯だと知っている。
誰が決めたわけでもないが、卑怯なことはしてはいけない。
いつもケンカしている暴れん坊ほど、卑怯なことをするのは恥だ。
格好よくないと思っていました。
テレビでもよくヒーローが
「この卑怯者め」
と悪者をこらしめていました。
■しかし、今の子どもは、小さいころから上下での接触がないから、
上級生にいじめられた経験がありません。だから、いじめられる
側の気持ちが分からないのです。
そのために皆で徹底的に一人をいじめて、孤独に追いやってしま
う。
それが、卑怯だとは思わないし、そんなことを教えてもらったこ
ともない。
こんなことを書くと誤解を招くかも知れませんが、小さな子ども
は、その天真爛漫さから、大人が見ると結構残酷なことを平気で
やっています。
小さな虫を踏み潰す行為などがそれです。虫の痛みが分からない
からです。
さて、
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【 人の痛みは経験して初めて分かる 】
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■小さなころに人に噛み付く癖のある子どもがいます。
この子どもの癖を無くすには、その子どもに噛み付いてやること
なのです。
噛み付かれることによる痛みを知った子どもは、噛み付くことを
止めます。
■このように、人の痛みが分かるためには、小さなころから、上下
関係のある中で遊び、自分も小さな痛みを経験することが大切で
す。
痛みを経験して、こんなに痛いのだから人も痛いだろうなという
人の痛みが分かる子どもが増えてくる。
そうなると、いじめは減ってくると思います。
いじめをなくす方法。それは、痛みを体験させて、人の痛みが分かる
人を育てることです。

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