■皆さん、こんにちは。
今日は「人知れず、人の役にたつこと」についてお話しします。
先日の朝日新聞の朝刊にこんな記事が掲載されていました。
40歳を過ぎた一部上場企業のサラリーマン2人が、国家公務員
のキャリア採用に応募して、官庁で活躍しているとのこと。
そのうちの一人が国家公務員に転職した動機を聞かれてこう答え
ています。
「給料は、サラリーマン時代の半分になりましたが、どうしても
世の中の役に立つ仕事がしたかったからです」
「そのために国家公務員になりました」
■お金があることが一番大切だと考える傾向にある今の世の中で、
久しぶりにさわやかさを感じました。
井戸塀政治家に代表されるように、昔の政治家や、国家公務員に
は「金は無くても世の中の役にたちたい」という志があったよう
に思います。
■1週間ほど前に、近所でこんな出来事がありました。
親の命日でお墓参りをしたある人が、自治会の役員をしている私
の所にやってきてこう言いました。
「今まで、いつ行ってもお墓の回りの雑草がきれいに刈ってあり、
ごみ一つ無かったのに今日はごみだらけや。当番が掃除をさぼ
っとるのと違うか」
「いや、あのお墓には、昔から掃除当番なんてありませんよ」
私が、そう答えると、その人はいかにも納得がいかなさそうな顔
をしましたが、やがてしかたなく帰っていきました。
■田舎の共同墓地はみなそうですが、地元の住人は無料で使用でき
る代わりに、管理人がいてしっかりと管理しているなどというこ
とはありません。
私は、なぜ急にお墓にごみが散乱するようになったのか不思議に
思い、近所の長老宅を訪ねました。
そこでその理由が分かりました。
今まで、人知れずお墓の草刈や、ごみの焼却をして下さっていた
一人のおじいさんが数ヶ月前に亡くなられたとのこと。
このおじいさんは、誰に頼まれた訳でもなくお墓の管理をし、誰
にそのことを告げることもなく、この世を去っていかれました。
■我々お墓の使用者は、その人が亡くなってお墓が荒れて、初めて
そのことに気が付いたのです。
そのおじいさんは、誰かがお墓をきれにしなければならない。私
でもそれぐらいのことはできるから、皆の役にたつのであれば、
やらせてもらおう。
きっと、そう思われて、純粋な気持ちで始められたのだと思いま
す。
■さて、
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【 人知れず、人の役にたつことが最も尊い 】
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■あの西郷隆盛がこう言っています。
「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己を尽くし
人を咎(とが)めず、我が誠の足らざるを尋(たず)ぬべし」
現代風にすると
人を相手にしないで常に天を相手にするように心がけなさい。天
を相手にして自分の誠を尽くし、決して人を咎(とが)めるよう
なことをせず、自分の真心の足らないことを反省しなさい。
というようなことになるのでしょうか。
■昔から「天知る、地知る、己知る」と言われています。
人が知らなくても知っているものは三人いる。
それは、天と地である。そして、何よりも自分自身である。
良い行いは、自分が知っていればそれで十分ではないかと。
悪い行いも、やったことは自分が一番よく知っているではないか
と。
皆さんも
「俺だけしか知らないが、おまえはよくやった」
と自分で自分をほめられることをやってみて下さい。

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