今回は「本当に判断に困ったとき」についてお話しします。
よく、「社長業は孤独な仕事だ」と言われます。
会社の全責任を背負って、最終判断は一人でやらねばならないからで
す。
何も社長でなくても、組織のリーダーには、多かれ少なかれ、孤独な
面はあります。
学生さんでも、クラブのキャプテンをされているような人なら、この
感覚は分かると思います。
■私も、高校時代にアメリカンフットボールのキャプテンをしていたと
きには、孤独を感じていました。
別にチームメイトが私を意識的に避けていたわけではありませんが、
当時の私は
「如何にチームメイトに練習を熱心にやらせるか」
ということで頭が一杯でした。
ところが、チームメイトは、そこまで考えずにクラブを楽しんでいま
した。
必然的に孤独になっていったような気がします。
■話を元に戻します。
先ほどの孤独な社長さんですが、こんなところを見たことがあります。
顔だけは知っている一流会社の社長さんが、一人寂しく高架下の居酒
屋さんで飲んでいたのです。
仕事中は、取巻き連中を従えて、さっそうとしている社長さんです。
「やっぱり、社長業は孤独や」
そのとき、そう思った記憶があります。
■では、孤独な社長さんは、物事を最終判断するときに、どうしている
のでしょうか。
一人で決めねばならない。このプレッシャーとどう戦っているのでし
ょうか。
実は、占いに頼っている社長さんが多い。
どうしようか、一人で悩みに悩む。
しかし、結論が出ない。
誰かに背中を押して欲しくて、つい怪しげな、占い師の門をたたく。
本当かどうか分かりませんが、こんな噂を聞いたことがあります。
■「生きがいの本質:飯田史彦著(PHP研究所)」の中に面白いこと
が書かれているのを見つけましたので、ご紹介します。
それは、「困った時の最後の手段」という段落です。
そこにはこんなことが書かれています。
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飯田先生は、「本当に困っている人」からよく相談を受けます。
しかし、自分のような若輩に相談して解決する程度の問題であれば、
事態に一番詳しい当人が、とっくに解決方法を知っておられるはずだ
と先生は考えるそうです。
そして、相談にこられた人に
「それじゃ、困った時の最後の手段に頼りましょうか」といって、ペ
ンを手に取ります。
例えば、結婚したくてもできない状況にある男女が対象だとします。
先生は、こういいます。
「ペンが右に倒れたら、あなた方はどんな困難があっても結婚する」
「ペンが左に倒れたら、スッパリ結婚はあきらめて、今日から一切会
わない」
「いいですか。たった1回しかやりませんよ」
すると、相談にきていたカップルは慌てて質問します。
「あ、あのう・・・ペンで決めるんですか」
「いや、ペンに聞いて決めるんじゃなくて、ペンを通して神様のご意
志を聞くのです」
「え、そんな大切なことを、ペンなんかで決めてしまうのは・・・」
「だからペンではなく神様ご本人にお伺いするんですよ」
「それが嫌なら、あなたたちは、まだ自分で考える余地をお持ちです。
そこまで本当に困っていないということです」
そして、先生は
「こっちに倒れてしまったら?」「あっちに倒れてしまったら?」
と何度か聞くのです。
そうすると、必ずどちらかで安堵の表情が浮かび、反対の方向で恐怖
の表情が浮かぶので、安堵の表情が浮かんだ方へペンを倒します。
「え、こっちになってしまいましたか。仕方ない。神様がそうおっし
ゃるならがんばってみます」
相談に来たカップルは、喜色満面で帰って行くそうです。
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■さて、
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【 困った時の最後の手段はペン倒し 】
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■先の社長さんの占い師と全く同じだと思われませんか。
社長さんまでされる方は、自分なりに考えを持っておられる。
しかし、一人で決断しなければならないことに耐えられない。
そこで、占いの力を借りて、背中を押してもらう。
結局こういうことだと思います。
■飯田さんは、この著書のなかで
【 もっとも素晴らしい人とは 】
「神も仏も存在しない。世の中は物質のみでできており、人間、死ん
だら灰になってすべておしまいだ」
という観念を持ちながら、
それでもつねに前向きに生きており、
いつも正直な言動を心がけ、
全ての人を愛しながら生きている人
だと書いておられます。
なぜなら、そのような人間観を持つということは、つらい時に自分
を支えてくれる「心の杖」や「心の先生」を持たないままで生きる
人生を選ぶことであり、それでも自分自身を叱咤激励し、誰も見て
いなくても正しい言動をとるという、大変難しくてレベルの高い人
生に挑戦することだから
だそうです。
■とても、我々凡人には、そんな生き方はできそうにありません。
やはり、心の奥底では決めていても、占いやペンに助けてもらうこ
とになるでしょう。
皆さんも、判断に困ったとき、誰かに頼んで、飯田先生のようにペ
ン倒しをされればいいと思います。
但し、ペンを倒す前に必ず
「こっちに倒れたら?」「あっちに倒れたら?」
と質問をしてもらうことを前提に・・・。
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