突然ですが、最近大喧嘩をしたことがありますか。
「子供じゃあるまいし、ここ数年してないよ」
という方が多いのではないでしょうか。
■今日は、私がサラリーマンのころにお世話になった大先輩のお話を
します。
■当時、私が課長で、その先輩は係長でした。私は35歳、その係長
は50歳を過ぎていましたが、浪花節そのままといった雰囲気を持
った人物でした。
■私も、その係長もお酒が好きで、よく仕事帰りに一緒に職場近くの
居酒屋に寄り道をすることがありました。
■居酒屋に入ると、最初は二人とも気持ちよく飲んでいるのですが、
しばらくすると必ず仕事の話になってきます。
「課長のあのときの指示が悪い」とか「課長は甘い」とかの話題に
なるのです。
■その係長も最初は
私のことを「課長」と呼んでいるのですが、そのうちに呼び捨てに
なります。
先輩ですから、もちろんあたりまえのことですが。
■裃を外して本音で説教をしてくれるのです。
■ただ、その話が執拗で何回も同じことを繰り返すようになってくる
と、こちらもだんだんと腹が立ってきます。
■そして必ず、大声で怒鳴り合い、今にも掴み合いになりそうな喧嘩
になってしまうのです。
こうなると、お店もいい迷惑です。
■それからしばらくすると
「お前のためを思って言ってるのに」
「わしはもうおまえとは一切話をせん。帰る」
そう言い残し、必ずその係長がお金を払って先に帰ってしまいま
す。
■さて、翌日
■出社してきた係長はいつものように
「課長、おはようございます」
といって、本当に何もなかったかのように、仕事を始めます。
■それで、過去に、一度だけ不思議に思って聞いたことがあります。
「本当に昨日、何があったのか覚えていないんですか」
■帰ってきた答えは
「わしは課長と大喧嘩したことなど全く覚えてないよ」
でした。
「・・・?」
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【 本音で説教をしてくれる先輩はありがたい 】
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■私は、いつも説教をされることが分かっていても、不思議とこの係
長の誘いを断ったことはありません。
■それどころか、毎回楽しみにしていたくらいです。
■その係長は私にもっと良くなってほしくて、説教をしてくれている
ことが、分かるからです。
どうでもいい人に対して、喧嘩してまで説教をする人はいないはず
です。
■その係長は、しばらくして定年になり、数年後に私も退職しました
が、今となってはそのときのことを大変感謝しています。
うしのフットボール
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