サラリーマン時代に、当時勤めていた会社が盛んに経費節減の推
進をした時期がありました。
■外注費を徹底的に押さえようとしたのです。
当時は、自分たちの工事用資材を保管している倉庫の敷地の除草
を外注して、専門業者にお金を払って草刈をしてもらっていまし
た。
■それが、経費の削減で草刈の予算が全く0になっていました。
■ちょうどそのときに、私の上司である部長から電話がありました。
その部長は、電話に出た私に
「明日社長が、視察に回られるが、君達の管理している倉庫には雑
草がいっぱい生えている。見苦しくないようにちゃんとしておき
なさい」
と事務的に指示を出しました。
■私は、(予算を削ったのは会社やろ)と内心怒りを覚えましたが、
命令なので、仕方がありません。
■早速、部下に
「倉庫の周りの草刈をやってくれるか」
と聞いてみたのですが、
■「なんでそんなことせなあかんのや。我々の仕事とは違う。それ
に草刈なんかしたことがないので、教えてもらわないとできない」
部下は一斉に猛反発しました。
■私は、半分予想はしていたものの、あまりの反発に腹が立って、
「それなら、俺も行って、一緒に草を刈る。それなら文句はない
やろ」
と強引に部下を連れだしました。
■現地に着くと、本当に誰も草刈をしたことがないようで、草の上
の方を指先でちょっとだけ摘んでその下を鎌で切るというような
情けない状態でした。
■私は、皆の見ている前で、さっさと鎌を扱って草を刈っていきま
した。
実は私は、農家の生まれで、子供のときから草刈をやらされて、
草を刈ることはお手のものでした。
■それを見ていた、年配の現場の長は
「草刈は、あんな風にやるんや。皆まねをしてやれ」
と若い自分の部下に号令をかけてくれました。
■皆、見よう見真似で草を刈り、2時間もすると、倉庫の周りはす
っかりときれいになっていました。
■そして、一人の若い社員がいいました。
「やればできるやん。きれいになったら気持ちええな」
■さて、
□□□ 今日の「ちょっと一言」です。 □□□
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【 無駄なように見える過去の経験もいつか役に立つときがある 】
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■私は、子供のころ草刈をやらされるのが、いやでいやでたまりませ
んでした。もちろん、友達が遊んでいるのに自分は遊べないからで
す。
そして、そのときには、それが将来役に立つなどとは当然思ってい
ません。
■でも、そのときは一見無駄に思えるような経験も後で考えれば、全
てどこかで役にたつようにできているように思えてなりません。
■後にならないと、ありがたみが分からないところが、人生の巧妙な
仕組みではありますが。
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