ユーザー (#1)2011年2月アーカイブ

■皆さん、こんにちは。
 今日は、"人のことを心配できる人"についてお話しします。

■私には、造園業を営む父がいました。その父も私が13歳の夏休み
 に42歳の厄年で、この世を去りましたが、父がまだ元気な頃、こ
 んな出来事がありました。

■確か私が小学校の4年生のときだと思います。小学生の私には、と
 ても印象的な出来事だったので、今でもそのときのことは鮮明に覚
 えています。
 
■あるとき私が家の中で遊んでいると、玄関から男の人の声がしまし
 た。
 
 「すいません。だれかおられませんか」
 
 元気のなさそうな声が、何回も聞こえてきました。

■ちょうど夕飯の支度をしていた母はその声に気が付き、玄関の方へ
 出ていきました。

 そして、なにやらその男の人と話をした後に、台所へ戻ってきた母
 は、おもむろに紙の弁当井箱を普段は使わない棚から取り出しまし
 た。

■そして、その中に昼に残った冷やご飯を一杯詰め、最後に梅干を1
 個真ん中に入れた日の丸弁当を作りました。

 母は、再び玄関の方に向かい、先ほどの男の人に、その弁当を黙っ
 て渡したようです。

■その男の人が帰った後、すぐに父が仕事から帰宅しました。

 母は、先ほどのことを父に話しました。

 「30歳くらいの男の人が来て、食べるものがなくて困っていると
  いうから、家にあった冷やご飯にうめぼしを入れて渡してあげた
  んや」

■それを聞いた父は、顔色を変えて
 
 「若いのに仕事もせず、そんなことをしとったらあかん。その人は
  どっちの方に行ったんや」

 と母に聞きました。
 

■母が、その男の人が行った方向を告げると、それを聞き終わるやい
 なや、父はすぐに家を飛んで出て、男の人の後を追っかけて行きま
 した。

■それから、10分くらい経って、父が家に帰ってきました。

 そして、家の中に入ってくるなり、皆に向かってこう言い始めまし
 た。

 「まだまだ働けるあんな歳で、物乞いをしたらあかん。また、させ
  たらあかん。わしは、今追いかけて行ってそのことをゆうてきた
  んや」

 「あんたみたいに若いのに、働きもせず、人に物乞いをしたらあか
  んと。ちゃんと仕事を探して働くようにと」

 「そしたら、その人が、"分かりました。仕事を探してみます"と
  いうから、"もし、仕事が見つからんかったら、いつでも相談に乗
  ったるから寄ってこい"というてきたんや」

■いつもは、温厚で、仕事一筋の父が、顔色を変えて、追いかけて行っ
 たところを見て

 "なんで、他人のことやのに追いかけて行ったんやろ"

 私は、不思議に思っていました。
 

■さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

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【 人のことを心配するとは、素直にその人のことを思うこと  】
────────────────────────────────

■母も、見返りを期待してご飯をあげたのではありません。

 父も、もちろん見返りを期待して、説教をしたのではありません。

■ただ、母の場合は、同情だけで終わってしまいました。

■父は、その人が今後自分で生きていけるように考えました。

■私は、今、教育関連の仕事もしていますが、子供の教育も同じで

 "子供がやがて、一人で生きていけるように"

 してあげることが何よりも大切だと思います。

■皆さん、こんにちは。

 今日は「悩み」についてお話しします。

■私は以前結婚式の仲人を頼まれたことがあります。その席上で
 新郎新婦にこんなことを話したことを覚えています。

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■ご結婚おめでとうございます。お祝いに私から夫婦円満の秘訣を
 お教えします。

 それは、相手をコントロールしようとしないことです。

 人間は、決して他人をコントロールできません。

 それをコントロールしようとするから不満や愚痴が出てきます。

 唯一コントロールできるのは自分だけです。

 いいですか、他人は絶対にコントロールできないのです。

 表面上は他人を自分の思うようにコントロールできたように見え
 
 ても、それはその他人が自分の意志で自分をコントロールした結
 
 果なのです。

 これを勘違いしないで下さい。

■ご主人をコントロールすることはできません。

 暇なときに家事を手伝ってもらおうと思っても、ご主人がそう思
 わないと、手伝ってくれないのです。

 ご主人が奥様に、姑に優しくしてほしいと頼んでもしてくれない。

 これも、奥様がそう思わないとしないのです。

 そのことを、「私が頼んでもしてくれない」とどうか悩まないで
 下さい。

 それは、当たり前なのですから。

 あなたにできるのは、自分をコントールして自分の行動を変える。

 これしかできないのです。

 その行動に対して、相手の心が動く。これは可能です。

■夫婦円満の秘訣は、相手はコントールできないとあきらめて、
 
 相手がそう思ってくれように自分をコントールする。

 これしかないのです。

 どうか、相手が自分の思い通りにならないと悩まないで下さい。
 
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■こんなことを30歳そこそこの仲人が偉そうに言ったことを覚え
 ています。

 「若造がなんと生意気なことを」と思われた方も多かったと思い
  
 ます。


■さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

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【 悩みを解決するには自分をコントロールするしかない 】
────────────────────────────────

■「ひろさちや」さんの著書「あるがままに生きよ」ぶんか社文庫
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4821150352/mag2com02f-22/
  
 にこんなことが書かれています。

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 生きることも死ぬことも思いのままにはならないのです。
 
 今や人間の世界は地獄と化しています。

 「あんな奴は地獄へ堕ちてしまえ!」
 
 と内心叫んでいる人も多くなったような気がします。

 それは、思いのままにならないことを思うがままにしようとして

 いるからです。

 もちろん、思いのままになることはたくさんあります。問題は、

 思いのままになることとならないことをしっかりと分けて、心の

 バランスをとることです。

 たとえば、たばこやお酒をやめることは思いのままになることで
 
 す。

 睡眠時間を減らすことやパソコンを覚えることも思いのままにな

 ります。
 
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 よく、夫婦は空気みたいな存在になる。

 といわれますが、

 お互いが相手をコントロールしようとしない。だから悩みもない。

 私には、そのような夫婦の状態を指しているような気がします。
 

 本の紹介です。「思考は現実化する」

 私が中学生のときに読んで影響を受けた本です。あまりにも有名
 なので、皆さん読まれていると思いますが、今回携帯版が出て、
 値段も安く、厚さも小さくなりました。
 まだの方がいらっしゃれば、必ず人生に役立つ本です。

 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4877711341/mag2com02f-22/


■皆さん、こんにちは。

 今日は「人生の損得勘定」についてお話しします。

■私は、高校に入学したころから、人生は誰も最後にはツジツマが
 合うようになっていると考えるようになりました。

 何も持たずに生まれて、何も持たずに去って行く。

 こう考えると、とても気分がスッキリします。

■私が高校に入学してしばらく経ったころこんな出来事がありまし
 た。

 私は当時、農家の集まっている、いわゆる村社会の中で暮らして
 いました。

 私は中学1年生のときに父を癌で亡くしていたのですが、当時の
 村には道の整備や、溝の草刈、祭事など全ての共同作業に一戸か
 ら一人必ず参加しなければならない決まりがありました。

 その決まりにより、私も中学1年生のときから参加を強制されてい
 ました。
 
 周りは40歳~60歳の人ばかりで、共同作業に参加した私からは
 皆老人のように見えました。

■最初は何が何だか分からず

 「何で俺だけやねん」

 と思いながら多少苦労をしましたが、周りも中学1年生なのだから知
 らなくて当然という扱いをしてくれました。

 そのこともあり、村の中では積極的に人に聞くことができ、いろいろ
 なことを吸収していったのです。

■そして、高校生になってしばらくした頃、その村の祭事に一人の40
 歳の人が、親に代わって初めて顔を出しました。
 
 その祭事は伊勢の神様をお祭りするものでした。

 事件はここからです。

 準備もでき、いよいよ神様を順番に拝むというときに、運悪く、最初
 に神様を拝むのがその人になってしまったのです。 

 その40歳の人は神様を前にして、おろおろとするだけで何もできま
 せん。

 高校生の私は、40歳にもなっている人なのだから、神様の拝み方な
 ど知っていて当然と思ってみていたのですが、実はそうではなかった
 のです。

 その人は神様の拝み方を知らなかったのです。
 
■今まで、村の行事には親が参加していたからです。

 知らなければ、人に聞けばいいのですが、いい歳をして今更人には聞
 けない。

 そんな気持ちがあって、今まできてしまったようです。

■そのときに私は思いました。

 「私が13歳のときに苦労したことを、あの人は40歳になって苦労
  している」

 「結局、早いか、遅いかだけでいつかは同じになるんや」

 と。
 

■さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

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【 人生の損得勘定は、誰でも最後にはゼロになる 】
────────────────────────────────

■「苦労」や「苦悩」ということばがあります。

 そんなもの無いのがいいに決まっている。

 誰でもそう思うのは当然でしょう。

 しかし、現実の自分の環境や考えとのギャップがあるから、苦労

 や苦悩があると思います。

 そのギャップが埋まると、喜びがあり、苦労が消える。

 また、環境が変わるとギャップが現れる。

 この繰り返しで人間は成長していくものです。

 人生で成功したと言われる人物にも必ず苦労や苦悩はあります。

 人によってその時期は違いますが、誰でも苦労と喜びを差し引き
 したその総量は同じではないでしょうか。

 ■皆さん、こんにちは。
 今日は、"目標"についてお話しします。

■前回は、"大卒"のお話をしました。今回は、資質や学歴がほぼ同
 じで、同じような家庭に育った人が社会で異なる結果をつかむのは
 なぜか、というお話しです。

■1940年代にハーバード大学を卒業した人々を中年になるまで追
 跡調査した結果が発表されています。

 それによると、大学時代に秀才だった人がそうえない人より収入や
 業績や地位などの点で特に成功しているとはいえないそうです。

■このことは、私たちの周りでも身近に感じることができます。
 私の高校時代の友人は、学生時代はいつも赤点をとって補習授業を
 受けさせられているような人物でした。

 その彼が、今や資本金10億円の会社の社長さんをやり、ポルシェ
 を衝動買いするようなことをしています。

■では、社会で成功するためには"学生時代に勉強ができること"で
 はなく、何が必要なのでしょうか。

■ダニエル・ゴールマンはその著書「EQこころの知能指数」のなかで
 
 "人生に大きな差をつけたのは、IQよりも子供のころに挫折を克服
 する能力や感情をコントロールする能力や他人と協調する能力があ
 ったかどうかだった"

 "学校の成績が良くても、人生のピンチやチャンスにはほとんど役
 にたたない"

 と述べています。

■なるほど、高校時代にクラスで問題が発生すると、先ほどの彼はい
 つも、リーダーとなってその問題を解決していたように思います。

■いわゆる成功哲学といわれる書物には、お決まりのように「社会で
 成功するためは、目標を高く設定することだ」と書いてあります。

 しかし、私は、
 
 「目標は誰でも高く設定することができるが、なぜ現実には成功す
 る人物が少ないのか」

 いつも疑問に思っていました。

■その答えが先ほどのゴールマンの著書にありました。

 それは、
 "同じ才能に恵まれて、同じ高い目標を持った者たちの間で一流と
 二流以下を分けるのは、幼いころから何年も続けて困難な訓練に耐
 えられるかどうかだ"
 ということです。

 特に、情動面の特性・・・熱意や忍耐を持ち続けられるかどうか。

■マシュマロ・テストというのがあります。
 
 これは、4歳の子供に

 「ちょっとお使いに行ってくるからね。おじさんが戻ってくるまで
 待っててくれたら、ごほうびにこのマシュマロを二つあげる。でも
 それまで待てなかったら、ここにあるマシュマロひとつだけだよ。
 そのかわり今すぐ食べてもいいけどね」
 
 と言ってその場を離れるテストです。

■心理能力の最も基本である「衝動をがまんする」能力が試されます。

 4歳児のうち、何人かはおじさんが戻ってくるまで、両手で目を覆
 ったり、歌をうたったりして、がんばり抜き、マシュマロを二つ手
 にしました。

 同じ4歳児でもより衝動的な子供たちは目の前の一個のマシュマロ
 に手をのばしました。それもおじさんが居なくなった瞬間に。

■そして、この4歳児の追跡結果がでています。
 
 4歳児のときに誘惑に耐えることができた子供は、十数年後には、
 高い社会性を身に付けており、対人能力に優れ、きとんと自己主張
 もできる力が付いていました。

 一方、4歳の時に誘惑に負けた子供は、対人関係を避けようとする
 傾向が強く、自分自身のことを「だめ人間」と考えていることが分
 かりました。

■やはり、目標を達成するためには、小さいころから養われた衝動を
 抑制する能力が一番重要なようです。

■さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

────────────────────────────────
【 目標達成には、幼いころからの衝動を抑制する訓練が必要である 】
────────────────────────────────

■宇宙飛行士の向井千秋さんは、いちばん初めに

「医者になって病気でたいへんな人を助けたいなあ」

 と思ったのは、小学4年生のときで、それから14年かかってお医
 者さんなりました。

 そして、「宇宙に行きたいな」と思ったのは、32歳のときで、そ
 れから10年後でした。

■これらの夢を実現できたのは、他の誘惑を押しのけて勉強や訓練を
 続ける能力が子供のころからあったからだと思います。

■"幼児のときの行動が将来を大きく左右する"大変重要なことです。

■皆さん、こんにちは。
 今日は、"大卒"についてお話しします。

■いよいよ大学全入時代になります。 文部科学相の諮問機関、中央
 教育審議会は、少子化と大学志願率の頭打ちで大学、短大の進学希
 望者数と、大学の合格者総数が2007年度に同じになると試算してい
 ます。

■私が大学入試を経験した30年前には考えられなかったことです。
 当時私が入社した会社には、大卒は数えるほどしかいませんでし
 た。

■そして、入社後7年が経過して私がある部署の係長をやっていた
 ときにこんなことがありました。

■朝礼で、工場のある班に出かけて、そこで今月の目標などいつも
 の連絡を済ませ、事務所に帰ろうとしたときです。

 後ろから若い社員に呼び止められました。
 
■彼は私にこう質問しました。

 「係長、係長も大卒だから言いにくいのですが、どうして後から
 入社してきたのに大卒の人は、給料がぼくらよりも上なのですか」

 彼は、工業高校を卒業後、入社して4年になっていました。
 そして最近になって、1年前に入社した大卒の社員の給料を知っ
 たようです。

■私は、一瞬答えに困りましたが、自分の持論を話しました。

 「今は、確かに大卒というだけで、後から入社したのに給料が高
 い」

 「が、俺はこう思っている。大卒は4年間大学で理論を勉強をし
 てきている。そして君たちは先に入社して実学を勉強してきてい
 る」

 「これは、どちらも大事なことで、もし、同じ歳の社員がいて、
 一人が大卒、一人が高卒で、大学の4年間の理論の勉強と、会社
 での4年間の実学の勉強をどちらも全力でやったなら、22歳で
 の給料は同じでいいと思う」

 「大卒は、入社後に実学を学ぶ必要があり、高卒は、実学を先に
 学んだ分、これからは理論を学ぶ必要がある」

 「だから、同じ給料でいいと思う」

 「でも、同じ給料をもらうということは、『僕は高卒ですから理
 論は分かりません』とは、言えないし、逆に『僕は大卒ですから、
 現場は分かりません』とも言えなくなるけどな」

 私がそう答えると

 「よく分かりました。同じ給料がもらえるように勉強します」

 その若い社員は、ペコッと頭を下げて走り去っていきました。


■さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

────────────────────────────────
 【 本当の給料は、学歴では決まらない 】
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■本田宗一郎氏がこんなことをおっしゃています。
  
 "私は、小学校しか出ていないからひねくれて言うわけではないが、
 学歴の善し悪しで全てを決めようとする風潮はばかばかしい。家が
 たまたま貧乏で学校に行けなかったばかりに一生冷や飯を食わねば
 ならない理由がどこにあるのだろうか"

 "大卒は、学校で専門的なことを学び、専門家のつもりだろうが、
 大学は四年といっても一般教養があり、休講があり、そのうえサボ
 ったりして、結局一日7時間労働に割ってみると三ヶ月かそこら工
 場に通った程度だろう。それをそのままゴールに持ち込めると思っ
 たら大間違いだ"

 "私の会社には、学閥は存在しない。もし作るとすれば小学校閥に
 したい。これなら誰でも気軽に入れる"

■最近の調査では、大学生は1日当たり数十分しか勉強していないよ
 うですから、先ほどの理屈からすると1ヶ月工場に通った程度にし
 かなりません。

■もちろん、大学で得られるものは知識だけではありませんが、そのまま
 会社で役立つものは少ないのも事実です。

■大学は、入社後に必死に実学を勉強するための人間としての土台作りの
 期間と考えた方が正解かも知れません。

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