ある歴史のある大会社での出来事です。


その会社は、運輸業を営み、社員は決められたことを確実に実行す

る社風を持つことで有名でした。


■そんな会社に事件が起きました。

社長の号令で新しくホームページを立ち上げることになったのです。


その会社には今までにホームページを扱った部署はありませんでし

た。


■そこで、どの部署が担当するのかが問題となり、総務部の総務課、

企画課、広報課が集まって、担当部署を決める会議が持たれました。


企画課の責任者はこういいました。

「私の課は、今の仕事で手一杯です。ホームページも担当すると、企

 画という本来の仕事ができません。どこにも属さない仕事は総務課

 ではないでしょうか」


■総務課の責任者はこういいました。

「わが課の仕事は、各課の仕事をまとめたり、調整したりすることで、


 どの課にも属さない仕事を引き受ける部署ではありません。ホーム

 ページの仕事を担当すると、調整業務ができなくなり、他の課に迷

 惑をかけます」

「広報課でやってもらえませんか」


■広報課の責任者はこういいました。

「広報は、各部署からいただいた情報を発信する仕事をしています。

 ですから、情報をいただいてから仕事をすることに慣れており、新

 しく何かを作るというノウハウがありません」


「情報源は、各課ですから、各課で各自ホームページを作ってはどう

 でしょうか。もちろん、広報課自身には情報がありませんから、私

 の所はホームページは必要ありません」


■こんな調子で、会議が始まって2時間が経過しても結論は出ず、皆

各課の主張をオウムのように繰り返すだけです。


それを、横で聞いていた総務部長は我慢しきれずにいってしまいま

した。


「おまえらに責任はとらせない。俺が責任をとる。頼むから誰かやっ

てくれ」


────────────────────────────────
 【 責任をとる覚悟がない人は決して動かない 】
────────────────────────────────


■どの課ももっともらしい理屈をつけていますが、結局は余計な仕事


が増えておまけに責任も増えることをいやがっているのです。


ですから、責任をとる覚悟がない人ばかりが、いくら考えても、ま


たいくら議論しても、結論はでません。



■ ディートリッヒ・ボンホッファー はこういっています。

 ----------------------------------------

 いくら考えても、行動できるわけではない。

 責任をとる用意ができた時に

 動き出せるのだ。

 -----------------------------------------
 
責任をとる覚悟がない人は、決して動こうとはしないものです。



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お盆で里帰りをされている方も多いと思います。

今年のお盆は、震災もあって、家族の絆を大切にしようということで、

海外旅行をするより、里帰りをする人の方が増えているようです。


■さて、以前会社員をしていた時に、当時の常務取締役が、経営立て直し

 の一環として社員の意識改革のために上杉鷹山の映画を全員に見せた

 ことがあります。


 上杉鷹山は、江戸時代に米沢藩主として、当時貧窮に喘いでいた藩の

 政治経済を再建し、奇跡的な繁栄をもたらした名君です。

 ジョン・F・ケネディが日本人記者から

 「あなたが、日本で最も尊敬する政治家は誰ですか」

 との質問を受けた時に

 「それは上杉鷹山です」

 と答えたのは、有名な話です。


■その映画を見た社員は、上杉鷹山の無私の貢献に感動し、我社も社員

 一丸となって経営再建を果たすのだ。

 という、気持ちになりました。


 その時だけは。


 そして、今、経営規模縮小の危機に瀕しています。

 

■映画で上杉鷹山が行ったことは、支出を押さえるために藩全体に倹約を

 訴えたことです。

 収入が減ったのだから倹約する。

 

これは、しごく当たり前のことで、経営改善のための奇策ではありません。

 しかし、この当たり前のことに、全員がいかに一生懸命になれるか。

 
 経営再建が果たせるかどうかは、全てこれにかかっています。
  

「名指導者 上杉鷹山に学ぶ(鈴村進 箸)三笠書房」
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837914896/mag2com02f-22
 
 に鷹山が家臣に対して発布した大倹令が掲載されていますので、以下に

 引用します。


■当家は大家(30万石)から小家(15万石)に縮小したにもかかわらず、

 上下ともに大家のころを慕っている。

 そのために家格も重く奢りの費用も大きい。

 しかも泰平が続いているので風俗も奢りがちである。


 当家は古くから質素律儀の気風があったのだが、それが失われがちなのは、

 時勢とはいえ嘆かわしいことだ。

 このままでは、月を経るにつれて、国の富は尽き果ててしまう。


 現状はなんとか取り繕っているが、実に心もとない実情である。

 まして水難、旱魃、火災、お手伝い普請のどのうち、どれか一つでも起こっ

 た場合には、国は破滅しなければならない。


 私は小家(秋月家)から大家(上杉家)の地位を譲り受けた身であるが、こ

 のまま家の滅びるのを待ち、国中の人民を苦しめることは、この上ない不幸

 といわなければならない。


 これほどまでに衰えた国を再建する見通しは立っていない。そのために、各

 方面の意見を深く尋ねたのだが、誰もが再建は不可能であるといっている。

 だがしかし、このまま亡びるのを待つよりは、君臣が心を合わせ、力を尽く

 して、できる限りの大倹約を行うならば、再建は可能であろう。


 私はそう確信した。

 仮に今日一日を安穏に過ごせるとしても、それは明日滅亡することには代え

 られないであろう。

 明日のために、今日の難儀を忍ぼうではないか。

 一同が志を一つにして、力の限りを尽くそうではないか。


 もちろん、私自身の身の周りをはじめ、すべてのことにおいて省けるものは

 省いていく。

 気の付いたことがあれば、誰でも遠慮なく申し出てもらいたい。

 いうまでもないことであるが、私だけが安泰でありたいなどという気持ちは

 毛頭ない。

 
 諸士も百姓も大倹約をするならば、今はさぞ難儀であり不自由であろうが、や

 がては一人残らず家を保ち身を安んじることができるようになるであろう。

 そうしたいためにこの倹約を命じるのである。

 この点をよく考えれば、今日の難儀を難儀とも不自由とも思わないはずである。

 
 このことを十分に心得て、どの家においても非常な倹約を実行し、子孫を大切に

 し、親類とも仲睦まじくし、長く当藩が安泰であるように努力しなければならな

 い。

 そのために、皆がよく協力してくれるよう頼む。


■以上が、大倹令です。


 この令を発布した後、自らも一汁一菜、木綿着用、今でいう自分の

 給料を千五百両から二百九両に減額しています。


 これは経営改善のための奇策ではありません。

 
 しかし、上杉鷹山のすごさは、この当たり前のことを藩の一人ひとりが

 意欲をもって取り組むことができるように、あらゆる誠意を示したこ

 にあります。


 これによって、藩全体の意識が変わったのです。


 ──────────────────────────────
 【 部下の意欲を奮い立たすのは、トップの誠意である 】
 ──────────────────────────────
 

■財政危機が叫ばれている中で、社長や役員あるいは、首長や議員さん

 の報酬を下げる、下げないの議論があります。


 特に政治においては、ある人は、首長や議員さんの報酬を下げると、

 人材や仕事の質が低下するといっています。


 また、お金持ちしか政治家になれなくなるともいっています。

 確かにお金持ちしか政治家になれないのでは、困ります。


■しかし、一般庶民の平均所得よりも高い報酬を得ていて、これ以上報

 酬を下げると、お金もちしか政治家になれなくなるから、報酬は下げ

 ない。

 

 これはおかしいですね。

 

 政治家は一般庶民以上の生活ができないと

 だめなのでしょうか。

 

 私は、一般庶民の平均所得と同じ報酬なら、一般庶民の生活水準が

 実感できるのですから、これでいいと思います。

 
 確かに、首長や議員さんの報酬を下げたところで、全体の金額からすれ

 ばその金額的な効果は知れています。

 

 金額的な効果だけであれば削減す

 べきところは他にもっとあります。

 
 サラリーマン時代にも会社の経営健全化のための方策で役員、管理職の

 給与引下げに関して、この議論はよくしました。


 しかし、「自分達は特別でいいんだ」では、皆の気持ちが決して同じ方

 向には向きません。

 
 報酬を下げる意義はそこにあるのです。
  


■また、報酬が下がると、政治の質が低下するのでしょうか。

 政治家を志す人は、皆、自分は後においておいて、国民、県民、市民の

 ために尽くすという高い理念をお持ちだと思います。

 
 皆のために一生懸命やっていたら、いつの間にか、お金がなくなって自

 分の家は、井戸と塀だけになってしまっていた。

 

 そんな井戸塀政治家なら、きっと皆の気持ちを同じ方向に向けられると

 思います。

 
 リーダーの皆さん、

 日本をよくするために、一丸となって進みましょう。


 


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会社組織には、多くの部や課がありますが、うまく組織が機能して
 ところは、総じて他の部や課のことを考えて仕事をしています。
 
 それとは逆に、全く組織が機能していないところは、自分の部課の
 ことだけしか考えずに仕事をしているところが多いようです。

■これは、組織だけではなく、人間一人ひとりの行動にもいえること
 です。

■そこで、今日はお寺の和尚さんから聞いたこんなお話をします。

■ある人が地獄見物に行きました。するとそこはちょうど昼ごはんの
 最中でした。

■長いテーブルの上には、地獄には似合わず、山や海の美味しそうな
 食べ物がずらりと並んでいました。

■それに比べて、そのテーブルに向かい合って座っている亡者たちを
 見ると、皆やせて骨と皮だけです。

■不思議に思ってよく亡者を見ると、なんと亡者が使っている箸の長
 さが1メートルもあるのです。

■そのために、せっかくご馳走をその箸でつまんでも自分の口に入れ
 ることができません。
 これでは、やせるのはあたりまえです。

■その人は、地獄は気の毒なものだと思いつつ、次に天国の見物に出
 かけました。

■天国もやはり昼どきで、皆長いテーブルに向かい合って座っていま
 した。

■テーブルの上には、やはりご馳走が山と盛られ、彼らが使っている
 箸も1メートルの長さで、一見すると地獄と変わりません。

■にもかかわらず、そこに座っている者は皆「まるまる」と太って、
 笑顔で話しています。

■不思議に思い、天国の人が食べる様子を観察していると、箸でつま
 んだご馳走をお互いに向かい合った相手の口の中に入れ合っているの
 です。
 
■箸はそのためにちょうどよい長さだったのです。


■さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

────────────────────────────────
    【 相手のことを思うと自分が生かされる  】
────────────────────────────────

■「自分のところだけは」、「俺だけは」と他人のことを考えないど
 ころか、他人から奪い取ることばかりを考えている地獄が、社会の
 あちらこちらで見うけられます。

■私は宗教家ではありませんが、このお話を聞いたときには「なるほ
 ど」と感心したことを覚えています。

■社会は、相手から奪い取ることばかりを考えている人だけでは、絶
 対に成り立たないことを示した興味深いお話だと思います。

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今日は、魚と猿の話をします。
 
■電気工事会社の電柱の保守をする部門に、ある新人が配属されて
 きました。
 
■そして、しばらくするとその新人に電柱に上る練習をする日がや
 ってきました。

■先輩が見守るなか、新人は、一所懸命に電柱に上ろうと何回も足
 を電柱から横に出ている足場にかけようとしました。

■しかし、1時間たっても、その新人は1メートルしか上ることが
 できませんでした。

■見かねて、所属長がその新人に聞きました。
 「どうしても、無理か」

■新人は、恐る恐る答えました。
 「はい、高所恐怖症なので、高い所には怖くて上がれません」

■実は、この新人は高所恐怖症だったのです。
 そのことを知らずに、人事部は彼を電柱に上る仕事をする部門に
 配属してしまったのです。

■おそらく、彼はいくら訓練しても電柱に上ることはできないでし
 ょう。

■やがてその新人は、電気材料を保管する倉庫の管理部門に配置変
 更になりました。

■本人が、几帳面な性格であることを見抜いた所属長が、上長に申
 し出て、異動を実現させたのです。
 
■すると、彼は、期待に答えようときっちりと在庫管理をこなし、
 今までは台帳と現物が合ったことのない期末の棚卸も、きっちり
 と合わせました。

■十年後、彼は公認会計士になりました。

■さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

────────────────────────────────
    【 魚に木登りを期待してはいけない 】
────────────────────────────────

■相手の身になって考えるということは、「魚に泳ぐことを期待し
 猿に木登りを期待すること」だと、昔ある本で読んだ記憶があり
 ます。 
 
■つまり、相手をしっかりと認めて、相手の身になって考えてあげ
 るということでしょう。 

■自分が相手を認めないで、相手が自分の期待どおりに動かないと
 嘆いても、もともと無理な話です。 

■相手を、認めて初めて、相手も自分のことを認めてくれ、期待に
 答えようとしてくれることを示したエピソードです。 

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ある会社にA君とB君の二人の若手社員がいました。
 二人は同期入社で、もうすぐ係長に昇進する時期にきていました。
 
■職場ではA君は同僚とはよく気が合い、いつも
 「係長のあの指示の仕方が悪い」とか「我々のことを理解していな
  い」と鋭い指摘をして、同僚の人気者でした。
 そして、自分たちの仕事内容もよく知っていました。
 
■一方、B君は、仕事の話はあまりせず、与えられた仕事を黙々とこ
 なすあまり職場では目立たない存在でした。

■春が来て、そんな二人は、同時に係長に昇進しました。
 
■さて、どうなったと思われますか。

■結果は、A君は係長になったとたんに、急に仕事ができなくなりま
 した。部下に適切な指示が出せないのです。

■これに対して、B君は、係長になったとたんに、部下に対して適切
 な指示を、どんどん出していったのです。

■この二人、どこが違ったのでしょうか。

 実は、平社員の時代に決定的な違いがあったのです。

■A君は、平社員のときにはいつも平社員の目で仕事を見ていました。
 ですから、同じ目でみている仲間内では人気があったのです。

■一方、B君は平社員のときから、いつも係長の目で仕事を見ていま
 した。そして、仕事はいつも係長の立場に立ってこなしていました。

■当然、B君には以前から係長としてやるべきことが見えていますか
 ら、実際にその立場になったときにはすぐに適切な指示が出せるの
 です。

■ところが、A君は、平社員の目で仕事を見ていましたから、係長に
 なって、急に係長の仕事をやれといわれても、何をどうやればよい
 のか、すぐには分からず、無能になってしまったのです。

■さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

────────────────────────────────
 【 そのときのために、日頃から上位職の目で仕事を見る 】
────────────────────────────────

■サラリーマンで、実際に上位職に昇進してみると分かることですが、
 職位によってやるべき仕事の内容がかなり違ってきます。
 
■平社員時代には、上司は実務をせずに遊んでいるように見えるとき
 があります

 でも、これは、仕事の内容が、実務からマネージメントに比重が移
 っていくためで、これを平社員から見れば、実務をしない分一見暇
 なように映ってしまうのです。

■上位職に昇進したときに、バリバリと仕事をこなす社員は、間違い
 なく平社員の時代に、上位職の目で仕事を見てきています。

■平社員のときから、上位職の練習をしておくことがとても重要だと
 思います。

 

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サラリーマン時代に、当時勤めていた会社が盛んに経費節減の推
 進をした時期がありました。
 
■外注費を徹底的に押さえようとしたのです。
 当時は、自分たちの工事用資材を保管している倉庫の敷地の除草
 を外注して、専門業者にお金を払って草刈をしてもらっていまし
 た。

■それが、経費の削減で草刈の予算が全く0になっていました。

■ちょうどそのときに、私の上司である部長から電話がありました。
 その部長は、電話に出た私に

 「明日社長が、視察に回られるが、君達の管理している倉庫には雑
 草がいっぱい生えている。見苦しくないようにちゃんとしておき
 なさい」
 と事務的に指示を出しました。

■私は、(予算を削ったのは会社やろ)と内心怒りを覚えましたが、
 命令なので、仕方がありません。

■早速、部下に
 「倉庫の周りの草刈をやってくれるか」
 と聞いてみたのですが、

■「なんでそんなことせなあかんのや。我々の仕事とは違う。それ
 に草刈なんかしたことがないので、教えてもらわないとできない」
 部下は一斉に猛反発しました。

■私は、半分予想はしていたものの、あまりの反発に腹が立って、
 「それなら、俺も行って、一緒に草を刈る。それなら文句はない
  やろ」
 と強引に部下を連れだしました。

■現地に着くと、本当に誰も草刈をしたことがないようで、草の上
 の方を指先でちょっとだけ摘んでその下を鎌で切るというような
 情けない状態でした。

■私は、皆の見ている前で、さっさと鎌を扱って草を刈っていきま
 した。
 実は私は、農家の生まれで、子供のときから草刈をやらされて、
 草を刈ることはお手のものでした。

■それを見ていた、年配の現場の長は
 「草刈は、あんな風にやるんや。皆まねをしてやれ」
 と若い自分の部下に号令をかけてくれました。

■皆、見よう見真似で草を刈り、2時間もすると、倉庫の周りはす
 っかりときれいになっていました。

■そして、一人の若い社員がいいました。
 「やればできるやん。きれいになったら気持ちええな」

■さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

────────────────────────────────
 【 無駄なように見える過去の経験もいつか役に立つときがある 】
────────────────────────────────

■私は、子供のころ草刈をやらされるのが、いやでいやでたまりませ
 んでした。もちろん、友達が遊んでいるのに自分は遊べないからで
 す。
 そして、そのときには、それが将来役に立つなどとは当然思ってい
 ません。

■でも、そのときは一見無駄に思えるような経験も後で考えれば、全
 てどこかで役にたつようにできているように思えてなりません。

■後にならないと、ありがたみが分からないところが、人生の巧妙な
 仕組みではありますが。


 

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突然ですが、最近大喧嘩をしたことがありますか。

 「子供じゃあるまいし、ここ数年してないよ」
 という方が多いのではないでしょうか。
 
■今日は、私がサラリーマンのころにお世話になった大先輩のお話を
 します。

■当時、私が課長で、その先輩は係長でした。私は35歳、その係長
 は50歳を過ぎていましたが、浪花節そのままといった雰囲気を持
 った人物でした。

■私も、その係長もお酒が好きで、よく仕事帰りに一緒に職場近くの
 居酒屋に寄り道をすることがありました。

■居酒屋に入ると、最初は二人とも気持ちよく飲んでいるのですが、
 しばらくすると必ず仕事の話になってきます。
 
 「課長のあのときの指示が悪い」とか「課長は甘い」とかの話題に
 なるのです。

■その係長も最初は
 私のことを「課長」と呼んでいるのですが、そのうちに呼び捨てに
 なります。
 先輩ですから、もちろんあたりまえのことですが。

■裃を外して本音で説教をしてくれるのです。

■ただ、その話が執拗で何回も同じことを繰り返すようになってくる
 と、こちらもだんだんと腹が立ってきます。

■そして必ず、大声で怒鳴り合い、今にも掴み合いになりそうな喧嘩
 になってしまうのです。
 こうなると、お店もいい迷惑です。

■それからしばらくすると

 「お前のためを思って言ってるのに」
 「わしはもうおまえとは一切話をせん。帰る」

 そう言い残し、必ずその係長がお金を払って先に帰ってしまいま
 す。
 
■さて、翌日

■出社してきた係長はいつものように
 「課長、おはようございます」
 といって、本当に何もなかったかのように、仕事を始めます。

■それで、過去に、一度だけ不思議に思って聞いたことがあります。
 「本当に昨日、何があったのか覚えていないんですか」
 
■帰ってきた答えは
 「わしは課長と大喧嘩したことなど全く覚えてないよ」
 でした。

 「・・・?」


□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

────────────────────────────────
  【 本音で説教をしてくれる先輩はありがたい  】
────────────────────────────────

■私は、いつも説教をされることが分かっていても、不思議とこの係
 長の誘いを断ったことはありません。

■それどころか、毎回楽しみにしていたくらいです。

■その係長は私にもっと良くなってほしくて、説教をしてくれている
 ことが、分かるからです。
 
 どうでもいい人に対して、喧嘩してまで説教をする人はいないはず
 です。

■その係長は、しばらくして定年になり、数年後に私も退職しました
 が、今となってはそのときのことを大変感謝しています。

 

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今日は、私の学生時代のお話をします。
  
■私は神戸の大学に自宅から通っていたのですが、母子家庭であった
 たために裕福ではありませんでした。
 いつも財布には千円くらいしかなく、教科書も満足に買えない状況
 でした。

■ある日、学校の帰りに地元の駅の近くで家庭教師のアルバイトがあり
 ました。
 授業が終わって、電車に乗ろうとしたときです。
 財布を開けてびっくりしました。

■なんと財布の中には100円玉が四つあるだけです。
 目的の駅までの切符を買うお金がないのです。

■しまったと思ったのですが、無いものはどうしようもありません。
 私は、仕方なく400円を全部使って目的の駅の2つ手前の駅まで
 の切符を買いました。そしてとりあえず電車にのりました。

■電車の中でどうしようかと必死に考えた結果、一つだけ解決方法を
 思いついたのです。
 アルバイト先がある駅の四つ手前の駅の近くに友達の家があったの
 です。

■私は、その友達にお金を借りようと思ったのです。
 まもなく電車はその友達のいる駅に着きました。
 
■私は、その駅で電車を降りて、駅員さんに切符を渡して
 「すいません。貧乏でお金がないんです。友達にお金を借りてくる
  んで、この切符預かっておいてください。絶対にすぐに戻ってき
  ますから」
 と、恥ずかしげもなくいいました。

■駅員さんは、何のことか分からずキョトンとしていましたが
 とりあえず切符を預かってくれました。

■幸いにも、友達は家にいて、私は、頼み込んで千円を借りることに
 成功して、また駅に戻ってきました。

■「すいません。切符を返してもらえますか」
 私は、駅員さんにお願いして切符を返してもらい、また電車に乗り
 ました。

■よくよく考えれば本当は、こんなことはできないはずです。
 途中下車無効ですから、その駅で降りたときに切符は無効になって
 いたはずです。

■その駅員さんは親切で、許してくれたのでしょうか。
 当時の私には、そんなことを考える余裕はありません。

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

────────────────────────────────
  【 無心でやれば、助けが得られることもある  】
────────────────────────────────

■どうでしょう。
 私は、切符が途中下車無効なことなど、考えも及ばず、ただただ
 どうやって、目的地まで電車に乗るか。
 を考えて行動しました。

■もし、私が切符が途中下車無効であることを知っていて、うまく駅
 員さんをだますか、説得しようとしたら、うまくいかなかったかも
 分かりません。
 
■無心だったからよかったのでしょう。

 

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私は、子供たちの勉強のお手伝いもしているのですが、先日中学生
 に英語を教えていたときのお話をします。

 授業で、こんな問題を出してみました。
 
 びんに牛乳が4分の1ほど入っている絵を見せて
 
 これを英訳しなさい。

 というものです。

■生徒の書いた答えは、いろいろでしたが、多かったのは

 there is a little milk in the bottle.
 (びんには少し牛乳がある。)

 there is   little milk in the bottle.
 (びんには牛乳がほとんどない。)
 
 です。

■生徒が、全員「a little」と「little」の使い分けを理解して
 答えているとは思えませんが、どちらも正解です。
 
 絵を見た生徒の受け取り方が違っただけなのです。

■もうひとつ、出所は忘れましたが、こんな有名な話もあります。

■ある靴のメーカが海外進出を計画して、アフリカのある国へ
 調査員を2人派遣しました。

■調査員が派遣された国では、皆裸足で誰も靴を履いていませんでし
 た。

 この様子を見た一人の調査員Aは
 
 「誰も靴を履いていない。靴の売れる見込みなし。」
 と書いたFAXを本社に送りました。

■一方、もう一人の調査員Bは
 
 「誰も靴を履いていない。大量に靴が売れる見込み有り。」
 と書いたFAXを本社に送りました。

■皆さん、どう思われますか。

────────────────────────────────
  【 事実は一つ、受け取り方は正反対  】
────────────────────────────────

■そうです。

 同じ事実でも、人それぞれ受け取り方が違うのです。
 その人の経験や、その人が前向きな考え方をするのか、後ろ向きな
 考え方をするのか等、いろいろな要因によって、物事の受け取り方
 は違ってきます。

■あたりまえのことですが、できれば、私たちは
  
 その場で、思考が停止するような受け取り方だけはしないようにし
 たいものです。
 

■せっかく、人には「考える」という経費の不要な能力が備わってい
 るのですから。

 

 

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私が以前勤めていた会社に新入社員が入ってきたときの
 エピソードです。

■ある年の4月に私の事務所に、大卒の新入社員が一人配属されて
 きました。
 
 A君です。

■私は早速A君を紹介するために、別の棟にある現場詰所に連れて
 行きました。そして、現場の皆さんに紹介を済ませました。
 ここまではよかったのです。

■そのときに、ある班でたまたま、終業後に飲み会をする予定があっ
 たのです。
 私は、その班の担当でもあったのでその飲み会に誘われていたの
 ですが、弾みでA君も参加することになってしまいました。

■A君はその班の所属ではありません。

■終業後いよいよ、飲み会が始まって和やかな雰囲気の中、私はA君
 を残し途中で退席しました。別件の宴会があったからです。

■次の日の朝、A君が私のところにやってきました。
 「課長、朝、目が覚めたら、班の詰所にいました。」
 「それで畳の上が血だらけになっていました。」
 「私には昨夜の記憶がないのですが。」
 と、いうのです。

■よく見ると顔が腫れ上がっていました。
 私は
「これは、殴られたな。」
 とすぐに分かりました。

■そして、私はA君に聞きました。
 「それで、どうするつもりや。」

■すると
 「記憶にはないですが、先輩に殴られたということは、私が悪い
 と思います。」
 とはっきりといいました。

■その言葉を聞いたので
 「そうか。それやったら今から現場に行って謝ってこい。今丁度
 朝礼をやっとるはずや。」
 というと

■「わかりました。」
 A君はさわやかに返事をすると一人事務所を出ていきました。

■A君は現場の皆の前で頭を下げて謝り、その後、血で汚れた詰所の
 畳を一人で一生懸命に拭いていると、後から先輩が二人きて手伝っ
 てくれたそうです。

■その後、A君は現場にとてもかわいがられ、今ではその部署の長に
 なっています。
 手伝った二人が、殴った人間かどうかは分かりません。

□□□ 今日の「ちょっと一言」です。  □□□

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  【 さわやかないさぎよさは人をひきつける  】
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■人は、弱いもので自分を守ろうとして、なかなか自分の非を認めよ
 うとしません。特に相手方にも非があるときはなおさらです。

■上のエピソードでも、顔を殴られたのだから、相手が悪いに決まっ
 ていると、つい主張したくなります。

■そんなときに、一切の言い訳をせずに、大勢の前でいさぎよく謝る
 人物に出会うと、人は何か自分にないさわやかさを感じるのではな
 いでしょうか。

■ときに、何かと理屈をつけて自分の正当性を主張するよりも、あっ
 さりと謝ってしまったほうが、相手方に受け入れられる場合があり
 ます。

■謝るときには、いさぎよさが大切なような気がします。

 


 

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